西新宿にあるフレンチのお店ル・クープーシュー。
昼の1時前に入ったところ、8割がた席が埋まっていたものの、カウンター席へ案内される。そう、そしてそれはとても丁寧な接客だった。
カウンターからは厨房が丸見えなので、シェフが今どの段階で何をやっているのかがよくわかる。フレンチではなかなか見ることのできない光景なので、こうして食べるのは初めての私にはなかなか楽しかった。
しかし、隣の会社員らしき男性は仕事がうまくいかないのか、顔を手ですっかり覆いうなだれ続けていた。出てきた料理を食べてはうなだれ、食べてはうなだれ、最後の珈琲のときもずっとうなだれ、、、。これは相当である。
厨房を楽しんでいた私はというと、ここで思わぬ難題に突き当たった。パンにつけるバターがカチンカチンに固くてナイフが刺さらないのである。すると、それに気づいた先ほどの店員さんは、あれよあれよともう一つナイフを持ってきて、とりやすいようカットしてくれた。すかさず助け舟を出してくれるあたり、どこまでいっても客への気配りを忘れないらしい。
歯ごたえのいい牛タンの前菜に始まり、身体に栄養がしみわたるような青ねぎのポタージュ、目の前でジュージュー焼いてくれたソースたっぷりのスズキのソテーに、程よく甘いババロアのコースはこの店では「定食」と名づけられているのだが、¥1680にしてこの定食は豪華だった。
カチカチのバターもメインのスズキのソテーが出てきたときにはオレンジ色のソースに役割をとられたので、バターに難儀することもなく定食を食べ終えることができた。
満足満足。