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2010年3月31日水曜日

旅その五・鹿島神宮 香取神宮 息栖神社 水戸偕楽園巡り 二泊三日

去年の11月下旬、知り合いの案内で東国三大社を巡りました。

<三大社めぐり>
初日に行った息栖神社は、
他の二社に比べて規模が小さく、
私たち以外の参拝客は一組だけでした。
が、嬉しいことに、

鳥居のあたりで白黒の牛猫ちゃんが出迎えてくれたのです。
この旅で一番の喜び。
猫は人なつっこくて、中の方までついてきました。
鹿島神宮、香取神宮が犬厳禁の立て札があり、
動物一切不可なので(鹿島には鹿がいますが)、
このように猫と遭遇することはないと思うと、
私は息栖神社が一番のお気に入りになってしまいました。

翌日訪れた香取神宮はけっこうな規模で、
見まわるのに30分くらいはかかります。
人も多く、特に七五三の方たちが目立ちました。
天皇成婚50周年記念のイベントの後らしき会場もまだそのままあり、
天皇とのゆかりの深さが伺えます。

鹿島神宮は広かったですよ~。
そこはすでに森の中というほどに、
太い木々が参道をかためます。
そして体感温度が若干下がります。
いずれの神宮にもあるご神木は樹齢千年あまりで、
太くたくましくそびえる様には、
その歴史に畏怖の念を覚えます。

鹿島は海沿いの街で潮の香りの街ですが、
神宮に入ると緑の息吹に包まれて別世界。
それが聖域というものなのかもしれません。

<一日目>
三大社巡りの前は雨にもかかわらず、
海外沿いをドライブいたしました。

この辺にはめずらしく、岩の海岸があって、
下りていくと、ものすごい臭気がたちこめて・・・。
魚料理屋さんの臭いにしてはきつすぎる。
もしや大量に食堂でもあるのかと思ったら、
1パイの巨大イカが岩に打ち上げられていたのでした。
巨大タコかと思ったらイカでした。
とにかく巨大。お店で売ってるイカの5倍くらいあるんです。
こんな巨大イカがこの辺にいるのは不思議だし、
地元の人も驚いていました。
海には不思議がいっぱいです。

三大社巡りの後に行った海は晴天で、
とてもきれいに遠くまで見えました。
船が何隻かあって、地球の丸さを感じさせる地平線。
美しい光景した。

<三日目>
水戸偕楽園です。

ご覧の通り、梅林で有名な偕楽園の梅林ですが、
この季節に行ってもこの殺風景さ。
花も葉もなく、人っ子ひとりおらずです。
うーん、来る季節を間違えたかと思いながら歩いてると、
こんな紅葉が見えてきました。
梅林を抜けると違う種類の木々たちが賑わいをみせています。

梅林のある偕楽園から撮ったもうひとつの偕楽園です。
向こう側にあるのは、新しく設けられた偕楽園だそうです。
今度はそちらまで足をのばしましょう。

鹿島からは鹿島臨海鉄道を利用して水戸まで行ったのですが、
何もなくてつまらない路線だと聞かされていたにもかかわらず、
ああ、本当につまらないと思ってしまい、
旅の疲れと感受性の減退との、
ダブルの疲労におそわれた旅でした。

2010年3月30日火曜日

西本智実 with ラトビア国立交響楽団 ピアノ:ウォニー・ソン

1月31日、オペラシティコンサートホールにて開催された演奏会。
<曲目>
チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」op.20より「ワルツ」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調op.18番
ブラームス:交響曲第4番ホ短調op.98
西本智実さん。大変人気のある若手指揮者と聞いてはいましたが、
満席なのがうなずける指揮ぶりです。
ひとつの感動のかたちをみた思いです。
親子、夫婦など、
優しさと愛情を持ち合っている関係というのは、
見る人を感動させると思うのですが、
西本智実さんの指揮は、
演奏者にそういう愛情と優しさをもっていているように感じさせてくれます。
そして全身から音楽が聞こえてきます。

「徹子の部屋」に出演されていたのを見たことがあるのですが、
ご本人曰く、「格好つける余裕なんてありません。」
なのに、とてもしなやかで力強く、美しくてかっこいいんです。

もともとラフマニノフが好きな私ですが、
西本指揮のラフマニノフ、大変気に入ってしまいました。
加えてウォニー・ソンのピアノ。
良かったですよ~。
やはりピアノがよくないと。
ウォニー・ソンは演奏中、演奏後も汗だくでした。
西本さんはひとつの演奏会で2キロくらい痩せるそうです。
全身運動の重労働ですね。
お二方とも、演奏が終わると安堵の顔をして、
手を胸元にあてホッとした様子で、
客席に向かって挨拶します。
ご苦労様でした。
また聴きにきます。

演奏会が終わり、地下のレストラン街に食事に行く途中、
楽屋口付近には女性たちの長蛇の列が。
その中のお一人に、「これは出待ちですか」と聞くと、
「そうですよ~」とにこやかに答えていただいて。
200人くらい、いやそれ以上はいたと思うのですが。
すごい人気なんですね、と思いながらレストラン街に向かうと、
手前にどこかで見たような外国人の団体が・・・。
ああ、ラトビア国立交響楽団のバイオリンの人だ、と思いましたが、
こちらは西本さんほどの知名度ではないようです。
ウォニー・ソンは演奏後にCD販売のところでサイン会をしてました。
因みに男性ファンらしき方々が、
出待ち行列のはるか遠くの方に数名いらしたのですが、
男性ファンは女性ファンよりシャイなようです。

オペラシティは最高の音響空間。
最高の場で最高の演奏、贅沢な一時です。
着物姿の年配の御婦人方も、
西本智実さんに花束贈呈されたラトビア大使館の方々も、
きっとご満足のことでしょう。

2010年3月29日月曜日

小石川後楽園

庭園を入って大分歩いたところにある舟着付近から。
隣の二人組の会話、
「ビルがなければいいのにねえ。」
「東京にそんなとこないわよ。」
あ、同じこと思うんだと、ちょっとした連帯感がうまれた瞬間です。

庭園を入ると最初に見える枝垂桜です。
何度来ても、入った途端に新鮮な気持ちになるのですが、
小石川後楽園の桜を見るのが初めてだったので、
よりアドレナリンが出ました。
この桜の前では多くの人がカメラを構えているので、
人物を入れずに撮るのは不可能と思います。

通天橋を望む枝垂桜です。
ここでも多くの人がカメラを構えています。
誰かが写真を撮っていると、
そこはベストスポットなのかと
ついつい行ってしまいます。
このあたりは紅葉も 良いそうです。


通天橋からの景色。
今日は真冬並みの寒さだったのですが、
雨も降ってきました。
枝垂桜が雨のようです。

渡月橋の手前にある桜。
ここの桜がもっとも満開に近かったと思います。
ご多分にもれず、ここでも多くのカメラが・・・。
桜の雲ですね。

大名庭園で桜を堪能して満足満足。
そんな小石川後楽園では、「ギャー、キャー」と、
ときどき悲鳴が聞こえます。
見えるでしょうか、写真の中央にあるレールが。
レールの手前にある東京ドームの屋根が示す通り、
庭園の隣は東京ドームで、東京ドームシティという遊園地があります。
そしてレールをジェットコースターが走ります。
だから、鳥の鳴き声とともに悲鳴が聞こえるんです。
これもひとつの現代と前近代の調和でしょうか。
何はともあれ、風流ですねぇ。
小石川後楽園とは:
江戸時代初期の1629年に水戸徳川家の祖である頼房が、その中屋敷(後に上屋敷になる)として造ったもので二代藩主光圀の代に完成した庭園です。庭園の様式は池を中心にした回遊式築山泉水庭になっています。光圀は造成にあたり、明の遺臣朱舜水の意見を取り入れ、円月橋、西湖堤など中国の風物を取り入れ、園名も舜水の命名によるなど中国趣味豊かな庭園です。
後楽園の名は、中国の范仲淹「岳陽楼記」の「天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」から名付けられたそうです。
国の特別史跡・特別名勝に指定されています。





アフタヌーンティー 後楽園メトロ・エム

            春のキャベツとサルシッチャのパスタ

小石川後楽園の桜を楽しんで歩き疲れた後は、
庭園を出て右側をずっと歩いていくと見える東京ドームのところを
歩道橋を上って左側に渡り、地下鉄の後楽園駅に向かいます。
そこにはメトロ・エム後楽園というショッピングセンターがあり、
二階にはアフタヌーンティ後楽園メトロ・エム店が入ってます。
そう、今回の目的地です。
店内に入るといつも通り満席だ~と思ったのですが、
運良く窓際の席が空いており、そちらに案内され、
待たずに入れるなんてラッキーと思いながら注文したのが、
季節のメニュ―「春のキャベツとサルシッチャのパスタ」と、
季節のケーキ「苺とチェリーのショートケーキ」 です。
桜見てきたんだから季節感は大事にしないと、なんてね。
パスタはアンチョビとケッパーが効いていて、
トッピングのマスカルポーネを絡めて食べると、
雨にうたれて冷え切った私の身体は、
あ~暖まるわ~と声を上げたくなります。


                 苺とチェリーのショートケーキ

デザートのショートケーキはマカロンがのっていて、
アールグレーの香りが広がるスポンジケーキが口の中でトロけます。
歩いた後の甘いものは格別においしい。
パスタにはフォカッチャがつくので、ケーキとあわせて
トリプル炭水化物のランチでした。

2010年3月28日日曜日

旅その四・岡山 倉敷 瀬戸内海 直島の旅 二泊三日


こちらは直島で撮ったものです。
ベネッセミュージアムのバス停のところから望む砂浜です。
アートの島でお馴染みですね。
ベネッセの社長が岡山県出身ということで、
島おこしにと企画されたアート島。
猫も多いとのことですが、
私が行ったときは雨が強かったためか出会えませんでした。
無名の海岸だと思うのですが、こんなところにも絶景があります。
築山のように海から突きでる瀬戸内海の島々。
海の静けさの中で、ひっそりと佇む姿は美しいです。
そして瀬戸内海の静まりが身体の奥深くまで浸透します。
こんなのんびりしたところで暮らすことを
想像するのは楽しいのですが、
見るだけの島と、
住むだけの島は違うはず。
見るだけの都会と、住むだけの都会が違うように。

そんなことを考えて東海道新幹線に乗り都内へ戻ると、
都会のルールで暗黙のうちに動く群衆に、
違和感大ありのまま、
溢れかえる電車に乗り込んで、
ああ、戻ってきたなあと感じるのでした。
 
岡山後楽園、倉敷については
以前のページで紹介しておりますので
そちらをご覧いただければ幸いです。
リンクhttp://esutaisis.blogspot.com/2010/03/blog-post_808.html

後楽園 倉敷


                                 倉敷
10月に訪れた時の写真です。
倉敷では白壁と堀割の町並みが見られ、
倉敷川両岸にある長い枝を垂らした柳の木が風で揺れる度に、
その音につられて、ついついそちらを眺めてしまいます。
美観地区には、徳川幕府の頃に栄えた町並みが残り、
観光客の目を引きます。
「ひあさ」と呼ばれる狭い路地や、
なまこ壁に挟まれた小道などがあり、
ああ、昔こんなふうに遊んだなあと思い出すような、
横道に迷い込む楽しさがありますよ。
そして、倉敷といえば、大原美術館ですね~。
日本初の西洋近代美術館で、
倉敷紡績二代目社長の大原孫三郎が、
前年に亡くなった友人の洋画家・児島虎次郎の
業績を記念して1930年に設立しました。
近代西洋がを中心として、古代オリエント美術から
国内外の近現代作家の作品までそろう総合美術館です。
館内は本館、分館、工芸・東洋館に分かれています。

私は大原美術館に行った後に、
お腹がすいて何か食べようと思い(相当の空腹でした)、
美術館のすぐ隣りにある、
かの有名な老舗の喫茶店「エル・グレコ」に入りました。
ところが椅子に座ってメニューを見て愕然。
食事メニューはトーストくらいで、ドリンクしかないんです。
「え~、ここには食べ物がないわけ~・・・。」
美観地区を歩きまわって食べる気満々の私は、
あまりのショックにコーヒーを一気飲みして、
そそくさと出ていったのでした。
大原美術館の隣で店名が「エル・グレコ」。
大食いする所ではないんですね~。
ちょっと自分を恥ずかしく思いました。



                          
                           後楽園の招き猫
後楽園のお土産屋さんの棚にいた猫です。
商品が並べられている棚の一角にダンボールを用意され、
品々と共に並んで佇んでいました。
大人しく、商品を荒らしたりもせず、
お行儀のいい招き猫ちゃんでした。
こういう労働環境に、ついつい憧れます。



                             岡山 後楽園 
全国で最も晴天率の高い県、「晴れの国」岡山です。
江戸時代には池田市32万石の城下町として栄え、
現在は山陰地方や瀬戸大橋でつながる四国との
交通の要衝となっています。
市街を流れる旭川沿いには後楽園と岡山城があります。
後楽園:
日本三名園の一つ。
1686年に岡山藩主池田綱政が家臣の津田永忠に
命じて造らせた庭園で、特別名勝に指定されています。
回遊式庭園なのですが、
園内を一周すると次々に景色が変わり、
晴天でほどよい温かさのせいか、
こんなところに住みたいなあと、
妄想じみた願望を抱く私でした。




旅・その三・鹿児島 宮崎 四泊五日

宮崎県の青島海岸、洗濯岩でございます。
潮が引いたところを実際に歩いてみたのですが、
確かに洗濯板状になってます。
調子に乗って歩いていると、コロンっとこけてしまいました。
が、ダウンのコートを着ていたせいもあってか、
ぶつけてもあまり痛くないんです。
とげとげしているように見えますが、
波であらわれて滑らかなのかも。

鹿児島  開聞岳を望む池田湖からの風景。
菜の花畑が満開です。
1月下旬に訪れたのですが、
鹿児島はこの季節に菜の花が咲くんです。
茶畑も多く、知覧茶で知られてます。
仙巌園・磯庭園からの桜島。
磯庭園は、薩摩藩主島津氏の別邸跡とその庭園。
借景技法を用いて、桜島を築山に見立てています。
何時間いてもこの眺めは飽きません。
1948年に華族制度廃止に伴い、
鹿児島市の管理下におかれたのですが、
1952年に島津氏に返還され、島津興業が管理しています。
主の島津さんを見かけますよと、ガイドさんがおっしゃっていました。
桜島に上陸すると、風が吹けば灰が飛んできます。
私が行った日は風が強かったので、灰が舞ってすごかったです。
白いコートを着ていたのですが、灰色になりました。
桜島に船で渡ると、海水は東京湾よりずっときれいで
深い緑色をしているのがわかります。
溶岩で大隅半島と陸続きになった桜島までは、
船で四キロほど。
目の前にいつも煙を上げる島があることを、
鹿児島の人は、きっとその脅威も含めて、
自然のものと受け止めているように思えます。

桜島をバスで走っていても、
間近で噴煙を上げている活火山だというのに、
怖いとは感じなくて、
それどころか優しい山だなあと思います。
溶岩がむき出しになっていても、
それでも優しい山だと感じてなりません。
私は大雪山を見て育ったのですが、
同じようにむき出しの岩でも、
大雪山は猛々しくて恐ろしさを感じさせるのに、桜島は暖かいんです。

鹿児島市は六〇万人の都市だけあって、
天文館を中心に繁華街がずっと広がっています。
そこがおおらかで穏やかに見えてしまうのは、
東京の足早な人々を見慣れているからかもしれません。
命を奪われるかもしれないのに桜島には植物が生え、
動物はそこに住み、
そしてよそからも人はそこに行きたがるんです。
命をかけてでも触れあいたいと思わせる魅力とエネルギーがあるのでしょう。

                   鹿児島限定焼酎 「薩摩義士」
駅ビルのお酒コーナーで、店員さんに鹿児島限定のオススメ焼酎は何ですか、とお聞きしたところ、これを紹介してくださいました。アルコール度数25度のものが多いなか、薩摩義士は32度なんです。それも人気の秘密とか。お酒は弱い私ですが、薩摩義士で毎日ちびちびとですが晩酌してます。確かにおいしいですよ。


「鹿児島滞在二日目のこと。
初日は一人でホテルにいることが、
なんだか遠洋漁業にでる人とその家族のように孤独に感じられ、
学生時代に一人暮らしをしていたにもかかわらず、
こんなにも一人暮らしとは孤独で心許ないものなのかと再確認しました。
母はよくああして一人でやっているものだと感心するとともに、
姉や母の一人暮らしを思うとどれだけ寂しく孤独であったか、
そしてそれをどれだけ私がかえりみてこなかったかを考えて
戻ることのできない現実に辛くなりました。

初日は気候に慣れないせいか風邪をひきましたが、
昼夜の差をつかみだした二日目は、
ホテルでも毛布を二枚借りて、寝支度です。

フラワーパークの植物には圧倒されましたが、
南国では当たり前なのだから、
それに驚く自分に不思議を感じるのですが、
見たこともないものを見ると、
最初は驚き、徐々に慣れ、しばらくすると存在を気にしなくなるんです。

鹿児島の人々は桜島を毎日みていますが、
きっとあまり意識していないのだと思います。
大自然が自然なんですね。
大自然が縁遠い東京暮らしの私の、
こんなにも自然を目に焼き付けようとする、
貧乏性のような姿は、
現地の人には奇異に感じられのではと思います。
でも、すべてが新鮮で、
すべてがホームシックを誘い、
すべてがこれまでの人生の喜びと悲しみを思い起こさせるんです。

必要なエネルギーをいっぱいもらって、
大地を歩いて汗をかいて、全部血を入れ替えて帰ろうと思います。」



2010年3月27日土曜日

旅その二・奈良旅行 三泊四日

                         東大寺 お水取り  

東大寺のお水取りに行くために、三月上旬に行きました。

<一日目>
雨の薬師寺、唐招大寺、西大寺、秋篠寺の西の京。
お寺のくすんだ黒色の建物と、
苔むした芝のような絨毯の地面と木々の色、
その葉の緑のなかで
梅のピンクと椿の赤は鮮やかに浮き立ちます。
そんな薬師寺と唐招提寺を一時間近くかけてまわったのですが、
なんとなく、こういうところでは死者と再会できると
人が言うのがわかる気がします。
それは決して恐ろしいことではなく、
再会の喜びと安心なのかもしれません。
この日撮った画像へのリンクです↓。
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<奈良二日目>
奈良の人は大阪人のように人なつっこいわけではなく、
京都人のように裏腹でもなく、
朴訥で大人しい印象です。
そして私は、何体もの仏像と対面するうちに、
仏像と会話する感覚をもつようになってきました。
絵をみたり、小説を読んだりするときと同じ感覚で、
楽しくなってきました。
ナチュラルハイでしょうか。
僧侶に怒られそうです。
この日は奈良公園の方を巡り、
日中に東大寺、興福寺、春日大社を見て、
夜にお水取りに行ってきました。
1250年以上続く法会であるにもかかわらず、
最も印象に残ったのが、
二月堂前にある大きな木に向かって
「あのクリスマスツリー邪魔、見えないじゃない、切っちゃってよ」
という隣の方の発言だったとは・・・。
僧侶にとっては修行、
観客にとってはイベント。
これも旅の楽しさではないでしょうか。
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<奈良三日目>
だんだんと奈良のイントネーションで話すようになってきたことに
驚き始めた頃です。
生きるための適応力でしょうか。
斑鳩方面に良く途中の車窓では、
西の京のような金持ち風情ではなく、
庶民的な家が続きます。
聖徳太子の本拠地であるはずの法隆寺、
中宮司、法華寺、法輪寺は周りを田畑で囲まれ、
静かな田園風景です。
人が踏み入れた土地というのは、
いろいろな人がいろいろな思いをもって
生きてきた証があるものだと思うのですが、
斑鳩もまさにそういうところです。
なによりお寺がそれをあらわします。
世界遺産の法隆寺などの大寺院よりも、
規模の小さいお寺のほうが落ち着くので好きです。
大量の修学旅行生も外国人観光客もいなくて、
うらびれた感じかもしれませんが、
静かで落ち着いて、ゆっくり考えるにはもってこいです。
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奈良三日目続き・・・
平城宮跡はその広さのために、
雨の中苦しめられましたが、いい運動になりました。
跡だから実際の当時の建物はなく、
再建した朱雀門や東院庭園があるだけで、
遷都1300年のイベントにむけて再建工事中だらけでした。
でもあるときは道なき道を、
宿泊先のホテルで借りた、頼りなげない自転車で
無理矢理かっとっばして
その広さを実感してみようと思いましたが、
思った通りへとへとに疲れきりました。
朱雀門から向こう果てまでが、
緩やかながらも上り坂なのが最大の要因かと。
霞ヶ関と同じようなものがあったのだから当然ですね。

さらに自転車で巡ったのが、
不退寺、海龍王寺、法華寺、般若寺です。
相当無理いたしました。
でもお寺それぞれに色があり、
人々に伝えたいことがあることがわかって
よかったです。
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<奈良四日目>
奈良市内は雨だったのに、
吉野ケーブルを登ったときは雪でした。
シーズン外、しかも雪とあってか誰もいませんでしたが、
思いのほか雪の吉野を見られたことが嬉しくて嬉しくて。
霊山にふさわしいひっそりとした雰囲気は、
何か優しく感じます。
奈良市内の雨よりも吉野の雨は冷たいはずなのに、
不思議と冷たく感じないんです。
吉野に逃げざるを得なかった後醍醐天皇の気持ちは、
どうだったのでしょう。
桜のシーズン以外はバスも少なく、
観光は不便だと聞いていたのですが、
私の場合、吉野ケーブルを降りたときに、
そこにいたおじさんが、「バスに乗るかい?」
と聞いてくれて、「何時にでるんですか?」
と聞くと、「二分後だよ」とのことで、
すぐにバスに乗れ、20分くらいで上まで行けました。
そのおじさん曰く、
金峯山寺等見るなら下りながら 巡った方がいいよ、
との事でしたですが、
確かに登りながら巡るのは
足腰に自信のある方でないとキツイかも知れません。
この日に撮った画像へのリンクです↓。
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仏像に親しみを抱くことができたのが、最大の収穫でしょうか。
また来ます。

奈良 西ノ京

唐招提寺  奈良市五条町に所在
       南都六宗の一つ律宗の総本山
       本尊は盧舎那仏、開基は鑑真                              金堂


薬師寺 奈良市西ノ京町に所在する寺院
     興福寺とともに法相宗の大本山、南都七大寺の一つ
      本尊は薬師如来で、開基は天武天皇                             大講堂

                             金堂

                             東塔


西大寺 奈良市西大寺芝町にある真言律宗総本山の寺院
      山号は勝宝山、開祖は孝謙天皇・常騰、ご本尊は釈迦如来                                              四王堂

                              東塔跡

                             本堂

西ノ京駅から歩いていける薬師寺と唐招提寺。
西大寺駅からすぐの西大寺。
西大寺では愛染明王坐像について、僧侶が熱く語ってくれました。
もともとは赤い色をしている仏像なのですが、
月日の経過で黒ずんでいます。
しかし、ライトをあてると赤いんです。鮮やかなまでに。
情熱の赤だそうです。





奈良公園の寺社

興福寺 
     南都六宗の一つ、法相宗の大本山
     南都七大寺の一つで、藤原氏の氏寺
     本尊は釈迦如来、開基は藤原不比等

                            北円堂

                             南円堂


                            東金堂




東大寺 
      華厳宗の大本山
      本尊は盧舎那仏、開基は聖武天皇

                            南大門

                          金堂(大仏殿)


春日大社
       全国にある春日神社の総本社。
       藤原氏の守護神である武甕槌命、経津主神、
       祖神天児屋根命と比売神を祀る。
       四神をもって藤原氏の氏神とされ、
       春日神と総称される。
       神紋は下がり藤。
       武甕槌命が白鹿に乗ってやってきたとされることから、
       鹿が神使とされる。

本社大杉 樹齢千年ともいわれているそうです。存在感がすごいですよ。

奈良公園だけあって、春日大社にも鹿がいます。

鬱蒼とした緑の中を風の音だけ聞いて歩くのは、気持ちいいものですね。
世界遺産だらけの奈良公園は見所いっぱいですが、
なかでも私は興福寺の国宝館に安置されている、
「板彫十二神将立像」が一種独特のユーモアがあって好きでした。
http://www.kohfukuji.com/property/cultural/003.html








奈良 斑鳩

法隆寺 夢殿(国宝)
      有名すぎるほど有名ですが、聖徳宗の総本山。
      本尊は釈迦如来、開基は推古天皇、聖徳太子。
中宮寺 本堂
      法隆寺に隣接する聖徳太子ゆかりの寺院です。
      聖徳宗、山号は法興山
      本尊は如意輪観音
      開基は聖徳太子または間人皇后とされています。    


法起寺 三重塔(国宝)
      聖徳宗の寺院
      山号は岡本山、本尊は十一面観音

法輪寺 講堂
      開基は山背大兄王、聖徳宗
      本尊は薬師如来坐像 


以上の四寺は、奈良県生駒郡斑鳩町にある、
聖徳太子と縁の深いお寺です。
奈良公園は奈良駅がすぐで人も多いのですが、
斑鳩はお寺を出ると田畑が多くて人がまばらで、
自然がまだまだ残っています。
そのためか、交通の便は悪く、
法隆寺から法起寺、法輪寺へと向かうバスが、
一時間に一本しかないんです。
時間をよく見ながら巡らなけらばならない、
ちょっと緊張感のある旅でした。

ただ、奈良の観光案内所やバス会社に電話すると、時刻表が全部頭に入っているのではないかと思うくらい素早くバスの時間を教えてくれるので、無敵でしたよ。






























奈良 不退寺


境内 ここから多宝塔(重要文化財)を望む眺めは最高です。

本堂(重要文化財)

本堂で毛づくろいをする猫。
猫もリラックス。
奈良市法蓮町にある真言律宗の寺院。
本尊は聖観世音菩薩。
山号は金龍寺。
寺号は詳しくは不退転法輪寺です。



奈良 海龍王寺

五重小塔 西金堂内に安置。
       総高4.01㍍の小塔ですが、
       工芸品ではなく、建造物として国宝に指定されているんです。


本堂

奈良市法華寺北町にある真言律宗寺院。
本尊は十一面観音。
光明皇后の光明宮の北東隅に建てられたことから隅寺の別称も。
東大寺や法隆寺に比べると、参詣客の数はまばらですが、
その分、じっくり、じっくり境内をまわり、
仏像をあおぐことができました。

奈良 法華寺

法華寺門跡
鐘桜
本堂 (重要文化財)
奈良市法華寺町にある仏教寺院。
奈良時代には総国分尼寺とされた。
山号なし。光明宗。
本尊は十一面観音、開基は光明皇后。
私が訪れた3月上旬には梅が咲いていました。
境内に入ると、静かな空間が待ってます。