とは言っても車や観光バスで訪れる人は別の道路から乗り入れてくるし、徒歩で観光する人が少ないため、鳥居をくぐって氷雪の門まで1キロほど歩くも、一人二人しかすれ違わない。このあまり人気のない遊歩道は、果てしなく上る階段により導かれるのだけれども、その階段にはチップが敷き詰められて弾力性があり、足に優しいのが嬉しかった。そしてその道のりはあっちにもこっちにもアジサイが群生し、今もなお青や紫のきれいな色彩を放っていた。
そんなアジサイを楽しみながらさらに公園の丘を上ると、やはり再びアジサイの群生が現れる。高幡不動尊のアジサイもすばらしいが、ここのアジサイも見頃の頃はさぞ圧巻だろうと思われる。
そして道しるべの矢印に従い短歌の道へ。
達筆の筆字で短歌が詠まれ、私には字すら判別できないところがあったが、さぞ趣のある短歌だろうと想像し、その後見晴らし台から見る港の眺めの美しさに感動したときは、こんな心情も詠われているのかもしれないと思った。
鳥居
港の方
この階段を上っていく
そこからけっこうな階段を上がると、氷雪の門があり、広々と広がる公園には南極物語のタロとジロの記念碑があった。南極上陸に向けた犬ぞりの練習を稚内でやったことからここにこれらの像が設置されたそうだが、いかにも最北と呼ばれる地である。
それにしても、南極探検隊の話といい、氷雪の門の樺太での死者の話といい、稚内公園はどこか物悲しい。それでもこれらの記念碑がある広場には多くの観光客が車で押し寄せて、そんな物悲しさとは裏腹にとても賑やかなのだった。
氷雪の門
その近くからの眺め