先日に続いてサラ・ベルナールに関する本を読みました。今回はフランソワーズ・サガン著の『サラ・ベルナール』というもので、サガンが架空の往復書簡をサラと交わす形式で書いてます。サガンがこれを書いてる時、サラは60年前に亡くなってます。
何ものからも独立していたいという気持ちと喝采を浴びたいという気持ちが同じくらい強いようで、かつ、過剰を好みお金のことは考えない(だからいつも借金漬け)、そしてどんなに成功しても優しさがあるサラ・ベルナール像が見えてきます。で、まわりで何が起こっても、自分に何がふりかかってきても、舞台に立つ自分を失わないのです。
サラは言うまでもなく魅力ある女性なのですが、魅力のある人を見つけるのも上手いのだと思います。当然それは芸の肥やしになります。そして、サラのような大物にありがちですが、年を取ると自分よりはるかに若いジゴロのような男(周囲からはそう見える)がよく見えてしまい、人生で一度だけの結婚をしました。若さの征服にも見える結婚です。人を求めてやまないサラにとって、恋と喝采は必要不可欠に見えます。そして時代もそれを求めたのでしょう。
でも、誰でも社会のどこかで認知されたいという思いをもって生きているのだとすれば、サラはいたって善良な普通の人ととも思います。
どんな時もタフなサラですが、サガンも共通するところが多い人なのかもしれません。
ようやく涼しくなってきました。ああ、日常。