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2010年9月3日金曜日

アントワープ王立美術館コレクション展

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の展覧会に、観測史上最長の猛暑のなか行ってきました。初台につく頃には身体の芯まで熱くなってフラフラでしたが、展示室は作品保存のために尋常でなく冷房がきいており、展示室を出る頃には身体はキンキンに冷えてました。

都内の美術展としてはとてもすいているのでじっくり見ることができたのがよかったです。

パンフレットの絵はルネ・マグリットの『9月16日』です。

副題に『アンソールからマグリットへ ベルギー近代美術の殿堂』とあるように、1880年から1940年頃のベルギー人画家の作品を集めてます。先日文化村で見たブリューゲル展のブリューゲルも代表的なベルギー人画家ですが、彼は16世紀なので出番なしでした。

展示されている絵画についてですが、私の印象としては、随分と暗い絵たちだなあと思いました。北部はオランダ、ドイツ、南部をフランスに囲まれるベルギーはこんなに暗いところなのでしょうか。それともベルギー人気質というものなのでしょうか。

ルイ・アルタンの『海景』などを見ていると、曇った空側が、海の色と同じようなのですが、考えてみると、雲は水分を含んでいるのだから海と似ていてもおかしくないのかもと思います。水と水に挟まれている空間にいることがとても面白い現象のなかに身を置いているではないかとしみじみ思いました。ただ、暗いんです。ジェームズ・アンソールの『防波堤の女』やレオン・フレデリックの『咲き誇るシャクナゲ』など、いろいろ見進んでいくも、暗い、やっぱり暗いと思うんです。外が暑くてカンカン照りの太陽を毎日見続けているからでしょうか。

ルネ・マグリットのはっきりとわかる違和感は相変わらず良かったです。

『アントワープ王立美術館コレクション展』が終わると階段を上ってそのまま『川見俊展』に行けるのですが、こちらの展示は対照的に明るかったです。

『地方の家』をテーマにペンキ塗装の家をペンキで板に描いた作品群なのですが、思わず自分の故郷北海道の家々を思い出しました。でも、彼がモチーフにしたのは愛知県、静岡県に実在する家で、北海道の家ではありません。専門的に絵画を学ぶことのなかった彼なりの試行錯誤の末の作品だそうですが、面白い試みだと思いました。そして何より見ていて楽しかったです。

川見俊のパンフレットです。
載ってる絵は彼の作品です。

オペラシティの中庭のようになっているところです。
こんなオブジェもある、オペラシティでした。