1時間半ほどバスに揺られる間ずっと続く山々は、奥多摩から丹沢山地へと続き、その向こうには頂に雪の残る南アルプスの山々が、その頂だけをのぞかせてます。
真夏は緑たけなわだった山の木が、まだうっすらとではあるけれども赤や黄色に色づき始め、こんなにも多くの種類の植物が密集していたのかと今更ながら驚きました。そうして驚きを新たにしているところにブドウ畑が見えてきて、勝沼から石和までは、道路の両側はほとんどぶどう畑です。ところどころに見える柿の木にはオレンジ色の柿が十分食べごろサイズに実ってます。
そんな景色を横に無事石和のバス停で降りると、ちょっと街を散策してみたくなりぷらぷら歩き始めました。すると住宅地に挟まれた道路沿いには生活用水路がありコイが放流されていて、思いがけず風情を感じました。
石和の街は観光処への看板が立っているので、地図を見なくても気軽に街を散策できます。そして何の気なく看板を追って辿りついたのがモンデというワイン工場です。ワイン工場隣には試飲ができる売り場があり、10種類以上の品が飲めました。最初に頂いた2010年ものの白ワインがとても美味しくて気に入りました。他にも梅酒やエゾウコギ入りのお酒などがあり、あっちがいいか、こっちがいいかと飲み比べながら楽しめます。私は結局梅酒を買いました。
石和の放流されたコイたちは時に流れに逆らいながら、時に流されるままに生きる姿を見せてくれるのですが、ワイン工場でも使用済みの水がこうして流れてくるところにコイが放たれ、コイの健康状態をみながら水の状態をみているという、コイにとってはたまったものではないというような、でも人間にとってはありがたい仕組みが、人の目には概ね美しくうつるかたちで存在してます。なかなかコイも命がけです。
そんなワイン工場を出てしばらく歩き、この日一番の目的地である深雪温泉へ。ここのお湯は本当に良かったです。それについては深雪温泉に記載がありますのでよろしければそちらへ。
深雪温泉の完熟の湯に入ってすっかり温まりリフレッシュしたところで、温泉にくる途中で気になったラーメン屋さんに再び行ってみることにしました。三角屋というラーメン屋さんで、こじんまりした一階建ての建物のまわりには車が何台もとまっています。やはりこれは人気店かと、入ることを決意しました。
そんなワイン工場を出てしばらく歩き、この日一番の目的地である深雪温泉へ。ここのお湯は本当に良かったです。それについては深雪温泉に記載がありますのでよろしければそちらへ。
深雪温泉の完熟の湯に入ってすっかり温まりリフレッシュしたところで、温泉にくる途中で気になったラーメン屋さんに再び行ってみることにしました。三角屋というラーメン屋さんで、こじんまりした一階建ての建物のまわりには車が何台もとまっています。やはりこれは人気店かと、入ることを決意しました。
店内にはなにやら有名人のサインがズラ~っと壁に貼られ、テーブルは満席状態。初めての来店で勝手がわからずきょとんとしていると、地元の方と思しきおじさんがここにお座りと食後のまどろみを中断して席を譲ってくださいました。ありがとうございます。席に座って他のお客さんたちの食べているものを見るとほとんどの方がラーメンだったので、やはりこれが一番人気かと注文したのがラーメン、550円です。あっさりしたスープは海鮮系のダシの香りがして、細麺がするする喉を通ります。ああ、おいしい。温泉ですっかり暖まったからだに熱いスープが注がれ、汗がじんわり出てきて上着を脱ぎながら、スープを最後まで楽しみました。
その後高速バスの時間まで1時間ほどあったので、以前から興味を持っていた高速バス停前にある『蔵』というギャラリーカフェに入ることに。本当に蔵だったところのようで、店内には蔵らしい急な階段が残ってます。そしてギャラリーカフェというだけあって、和食器や置物が飾られ、とても落ち着く和の空間です。
ブレンドコーヒーとバナナケーキ
ブレンドコーヒーとチーズケーキ
バナナケーキとチーズケーキはどちらも相当に甘さ控えめで、大人の味です。手作りの優しいお味で、とても美味しくいただきました。ブレンドコーヒーは香りがよくて、こちらもとても美味しかったです。都心で同じものを頼んだら1,5倍から2倍の値段だろうと思いながら、この値段(400円)で飲めることをありがたく思い、東京で稼いだ金は地方でつかうという意見に賛成の意を強めながらバスが来るのをゆったりとコーヒーを飲みながら待ちました。
ところが、この後恐ろしい事態に陥りることに。
つい先程ラーメンを食べて暖まったとはいえ石和の外気は東京より冷たい・・・汗で冷えるのもよくない、と入った『蔵』だったのですが、なんと、暖房がついてないんです。入店したときも寒いと感じましたが、椅子に座っているうちに、どんどん身体が冷えてきます。どうやら店内はキンキンに冷えている模様です。保存のために建てた蔵とはいえ今はカフェ、カフェはくつろぐところ、そのカフェがこんなに寒いはずがない、どこかに暖房があるはずとあちこち見回すと、ちょこんと未だ活躍せぬストーブが置いてあるではないですか。なんだ、こんなところにあるんじゃないとスイッチを入れ待つこと数分。ブワーっと温かい風が流れてきました。暖房にある温度計を見ると室温14度、どおりで寒いはず、やはりこれはカフェの室温ではないと思いながらコーヒーを再び飲み始めました。隣のお客さんも温かいわね~とホッとしていてようです。
バスの時間が来たので店を出ると、『蔵』の中より外の方が温かい・・・。これなら外に居たほうが冷えなかったのではとちょっと後悔し、でもこれも経験しなければわからなかったことと前向きに捉え直して西から差し込む太陽光をこれまでないほどありがたく思いながらバス停へ。冬のバス待ちに『蔵』をつかうならあの暖房があと3つは必要、ということはつかえないということか、残念、でもあの美味しいコーヒーとケーキは捨てがたい、ならば温かい季節になったらまた来ようと心に決め、近くにある「高速バスを待つのにぴったり」との謳い文句を掲げるイタリアンはどうかと覗いてみました。
バスは定刻よりやや遅れて私たちを乗せ再び中央道へ。するとほどなくして渋滞という更なる難関がやって来ました。でもそれは寝るということでやり過ごし、1時間10分遅れで都内のバス停で降りました。1時間半たらずの予定乗車時間が1時間10分遅れるとはけっこうな遅れですが、これもバスの旅の醍醐味か・・・。すごいと思ったのは、あれだけ冷えてしまった身体がバスに乗るとすぐに暖かくなってくれたのです。完熟の湯の温泉パワーをしみじみ実感しました。おかげでゆっくり眠れてバスの遅れもさほど気になりませんでした。
こちらはモンデのワイン工場で買った梅酒と、そこで買いそびれた2010年ものの白ワインを酒屋さんでもある『蔵』で買おうとして、モンデを扱ってないから最も近い味の白ワインと薦められて買ったものです。家で早速梅酒を飲みましたが美味しかったです。お酒で冬の寒さを忘れた瞬間でした。