三十三間堂はとても厳かだった。本尊の十一面観音は穏やかで慈悲深い顔をしている。11の顔に40の手とは妖怪か化け物だが、これがどうして違和感がない。それが仏像のすごいところだと思う。風神雷神も躍動感があってよかった。28部衆像の水晶の玉眼は、本当にこちらを見ているようなリアリティだった。本尊のところに「おさがり」と書かれた餅があったので一つ頂いてきた。
おさがりの餅
本堂
境内の庭園
名物の射場
三十三間堂の通りを挟んだ向かいには京都国立博物館がある。ここは庭園も面白いと聞いていたが、外から見えるところだけでも面白かった。
博物館の庭園
博物館から祇園の方に歩いて行くと、途中六道珍皇寺がある。六道について由縁のあるお寺だそうだ。
本堂
この井戸が六道と関係があるとの説明があった
次は近くにある六波羅蜜寺へと向かう。ここの宝物館の仏像群は見事だっった。
本堂
目を引く石像が
その後行った建仁寺はとても大きなお寺だった。ここでは風神雷神の屏風図、石の敷き詰められた庭園、法堂の天井画、雲龍図が見事なお寺だ。
以下建仁寺の見事な庭園
つくづく京都の拝観料は高いと思った東山7条から祇園までのお寺巡りだった。
その後祇園を突っ切って鴨川を渡り、四条河原町まで歩いた。祇園に人は少なかったが、河原町に出ると急に人が多くなった。やはり祇園は一般向けではないのか。そこまでの道のりは町家造りの小さな家がたくさんならんでいる。だいぶ古くなっているが、残そうと必死との話も聞く。再開発で台無しにしないように行政と協力して大事にしてほしい。
祇園の街並み
鴨川
四条河原町から京都駅行きのバスに乗ると、東福寺にも停まる路線だったので、まだ4時前で入館できるだろうと東福寺で下車する。数分歩いて東福寺霊雲院のあの有名な庭園へ向かう。
石で渦を巻く庭園は圧巻で美しい。松の手入れ、灯籠の位置、こは庭園美そのものだという庭園だ。背後の竹が風でサラサラ音をならすのがまた良い演出だ。微動だにしない石と常に動く竹、動いているようで動いていない小石の渦。ここにも小宇宙を発見した。奥の方に行ってみると、別の渦がある。水の流れのような、あり地獄のような、気分によっていろいろと受け止められる世界だった。猫がここの境内に入ってきて後ろ足でこの世界をけ散らかしたらそれもまたおもしろいのにと思ったが、今日の京都観光では一度も猫と会えなかった。ちょっと寂しい街だ。同じ時間に入った大阪から来たというおじさんは、雪が残ってるかと期待して来たらしいが、残っているのはほんの少しだけで残念そうだった。北海道にならいくらでもあると伝えてあげたくなったがやめといたところで、この日の京都観光を終えることにし、宿泊する仁和寺の宿坊へと向かった。続く
以下東福寺の庭園