金閣寺の境内に入ると、すぐにあの金ぴかの建造物が出てくる。9時半くらいに来たのだが、観光客はまだまばらだった。そしてなにより金が上品に輝き美しい。先日の雪が屋根や苔むしたジュータンの上に残っているのも季節感があって良かった。確かに京都のお寺の庭園らしく美しい庭園美は健在だが、これだけ広い庭園は、この二日間で見てきた京都のお寺では最大だと思う。義満が権力の誇示につくったとしては随分美的にもよくできているとの感想を持った。池、石、島、取り囲む石畳の道と多様な木々、どれもが見事だった。もっとゴテゴテしたのを想像したが、ずっと品があって気に入ってしまった。
池に映る金閣もきれい
雪残る金閣
茶室
偉い人が来たときに座ったという石
座り心地は良かった
不動堂
金閣寺を出ると、きぬかけの道をバスで竜安寺まで行く。
かの有名な石庭をずっと見続けること数分。なんだか天動説を信じている昔の人々の感覚に陥ったような感じだ。点在するそれぞれの石たちのまわりは丸く苔が生えている。そしてその周りをさらに石が曲線で縁取る。なのに、そのまわりの石は直線で敷かれ、長方形の囲みのなかにすっかり石庭が囲まれているだけであることに気づく。限られた条件のなかで世界観を呈するのが庭師なのだろうが、あまりに限られていることをここまで見せつけられると、何もないように思えてくる。
龍安寺本堂
以下石庭
境内のなか
苔
鏡容池
仁和寺、金閣寺、龍安寺と巡った後は、反対側の銀閣寺に行くことにした。いったん四条烏丸に出ると、四条烏丸から銀閣寺へは30分ほど。銀閣寺は観光客でいっぱいだった。そして、みんな義政の世界を楽しんでいるように見えた。
銀閣
向月台
本堂
銀沙灘
展望所からの京都市内
哲学の道沿いにも多くのお寺があるが今回はすべて素通りして、10年以上前に来たとき猫のいたところにまだ猫がいるかとずっと歩いてみた。すると、いた~。
哲学の道
お立ち台に猫
いっぱいで写りきらない
手がハの字
この猫だけとても人懐っこかった
木の上で保護色の猫
お立ち台の猫
哲学の道を横切る猫
猫が健在でとても嬉しかった。
哲学の道を歩き終えた頃には16時近くになっていて、仁和寺の朝のお勤めから始まりすでにクタクタ。熊野の湯峰・川湯の温泉で二泊、ついで京都の智積院・仁和寺の宿坊で二泊と、とても充実した4泊5日の旅だった。