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2010年8月11日水曜日

ブリューゲル 版画の世界


渋谷文化村で開催中の『ブリューゲル 版画の世界』に行ってきました。ブリューゲルが人気があるからなのか、夏休み中で学生たちも平日の昼間に来やすいからか、他の展覧会の時より圧倒的に混んでました。版画の並ぶ前にはず~と人の列が続き、それに沿って見てまわっていると、結局2時間以上かかりました。

この展覧会では作品を7つのテーマに分けて展示してます。

私はそれまでブリューゲルという人自体知らなかったのですが、第一章のアルプス山脈と近郊の田園風景の版画を見て、とても好きになりました。

ブリューゲルの時代は16世紀。ということはルネサンスの最後期くらいです。ただ、彼はルネサンスのいわゆる大画家たちと違い、版画をやります。版画は不特定多数の人々が買えるように制作されるのが普通で、ブリューゲルの版画もそうした大衆の趣味に応えたものだと思いますが、白と黒だけで描かれる風景が本当に大自然に見えるのです。一つ一つの線を非常に細かく描いていてどれだけの労力だったのだろうと驚きますが、とても小さく描かれている人や動物だちが自然のなかにすっかり溶けこんでるのが良かったです。美しい景色ばかりでした。

第二章以降では聖書の世界、諺、子供の遊び、民衆の祝祭、農民の労働などをテーマに描いてます。人間性なるものをユーモアを込めて風刺したり教訓を込めていたりで工夫がいっぱいです。

白と黒で構成される世界がこんなに刺激的で楽しいものだと教わってきた気がします。見に行ってよかったです。

(注:クリックすると音が出ます。)
カラヤン指揮 スメタナ モルダウ