先日のBS番組『我らほ乳類2億2000万年の戦い 第一回』の続きについて。
第二回を見そびれましたが、第三回『激化するほ乳類抗争~有袋類との知られざる戦い』というおどろおどろしく銘打った最終回を見ました。
巨大隕石が地球に衝突したことによって恐竜は絶滅しましたが、ほ乳類安泰の時代が来たかと思いきや、恐竜はトリのかたちをしてその後も残ります。そして水辺ではワニさんたちが幅を効かせているのでした。こうして、ほ乳類にとっては気の休まらない時代が続きます。挙句の果てに、かつて恐竜同士がそうなったように、ほ乳類同士での戦いが始まります。そのまま歴史を繰り返している最中のようです。
そんななか、我らがほ乳類の先祖であるネズミちゃんはどうだったのでしょうか。ネズミは姿かたちが特殊化していないために、その後の環境の変化に適応できるよう変化できたそうです。
特殊化すると、ある一定の環境下では強いのですが、環境が変わってしまうと絶滅してしまうそうです。あまりに巨大化すると食料が足りなくなったりだとか、水の中でしか生きられないとか、いろいろ問題が生じます。
ほ乳類はその後有胎盤類と有袋類に分かれます。
有胎盤類はお腹の中で赤ちゃんを大きくなるまで育てます。ヒトはこちらです。有袋類は子供を生んだ後、育てるための袋がおなかにあります。カンガルーなどがそうです。
南米やオーストラリアではティラコスミルスというのがほ乳類の生態系の頂点にいたそうです。そしてアジアや北米では、スミロドンというのが頂点にいたそうです。どちらもライオンと同じくらいの大きさで、太い牙をもっており、そっくりです。
有胎盤類と有袋類は何気に同じく1億2500万年くらい前から進化を続けています。同じくらいの時間をかけて、同じように進化したと言ってもいいかも知れません。そういえば、モグラやネコのような有袋類もいます。
そんな両者ですが、ある日北米と南米が陸続きになったときに、とうとう出会ってしまうのです。さあどちらが勝つのでしょうか。結果的には、有胎盤類のスミロドンの方が長く生き抜き、1万年前まで繁栄を続けていたそうです。その理由は何なのでしょうか・・・。
胎盤という繁殖術を手に入れると、その先には脳を大きくするという結果が待っているそうです。要するに、スミロドンの方が頭が良かった分サバイバルを生き延びたということらしいです。
直近の我らが先祖のお猿さんたちは木の上で生活してました。ところがヒトは木から下りて草原での生活を始めました。草原にはスミロドンのようなライオンやトラその他人を捕食する動物がわらわらいます。人が勝てるわけがありません。やはりここでも、脳を大きくして対抗するしかなかったのでした。ちょっと切ないような、人によっては嬉しい展開なのかもしれないようなヒトの歴史、ほ乳類の歴史でした。
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フジ子・ヘミング ドビュッシー 月の光