本州最北とも言える地にある恐山。一度は行ってみたいと思っていたのですが、ようやく念願かなって訪れることができました。八戸から六ケ所村などを通って行ったのですが、途中からは完全に山の中で、道路の両側には木々がずっとずっと生えてました。車のある今の時代でもこんなに遠く感じるのに、1200年前に開山した慈覚大師はどうしてこの地にたどり着いたのか考えてしまいます。パンフレットによると、慈覚大師は中国で修行していたときに夢を見て、そのお告げに導かれて教えを説く旅をしていた果てにこの下北の地に辿りついたそうですが。
駐車場付近からの景色。
多くの参詣者が来てました。
よく聞く三途の川にかかる橋です。
渡ってみましたがけっこう急です。
そして川の水の美しさに驚きました。
総門を入るとこうして向こう側に山門が見えます。
山門を抜けると本尊安置地蔵殿があります。
地獄になぞらえられる岩肌です。
火山ガスが噴出しているため硫黄の臭いが充満してます。
こちらも地獄です。ここの映像はテレビ等で何度も見たことがあって、さぞ怖い雰囲気のところなんだろうと思っていたのですが、実際に巡ってみるととても和やかな所だと思いました。地獄どころか優しい雰囲気です。
途中にこうして睡蓮の咲く池がありました。
宇曽利湖の水も三途の川同様とてもきれいです。南国の海のような色にも見えます。ところどころ色が違う箇所があり、それがまた極楽になぞらえられている白砂の浜を際立たせているように思えました。こんなに穏やかなところに身を置いたのは初めてです。恐山までくるのはあれほど大変で遠いと思ってたのに、その遠いところには確かに極楽のようなところがあって、かつ慈覚大師が見つけたというのがなんとも言えない巡りあわせに感じます。白砂に座ってずっと向こうの山を見ている人が何人かいました。下北半島自体は至る所木々が生い茂っているのですが、恐山はガスのためか木々がないため、夏の強い日差しを遮るものがなくてこの季節はとても暑いのに、それでもそこにじっと座って湖と山のある方を向いています。人それぞれいろんな思いでここまで来たのだと思いますが、なんとなく共有する感覚があるのかなとも思いました。
こちらも白砂と湖
五智山展望台からの眺めです。
角度を変えるとこういう景色になります。
恐山を離れてしばらくのところにはこうして水を飲めるところがあります。とても冷たい水で、身体が目覚めます。ヒバの木が多く生えているためヒバの味がします。このおいしい水を多くの人がペットボトルに入れて持ち帰ってました。こうして水が湧きでてくることに、豊かさを感じました。恐山に来て良かったです。