ページ

2011年2月17日木曜日

カミホロ荘

カミホロ荘は国道291号線沿いにある十勝岳温泉郷の宿だ。今回はここの日帰り湯に入ることにした。


ここに来る前に同じく十勝岳温泉郷の吹上野天風呂にも入ったが、母と共に15時頃行ったときには他に6人ほどが入っていた。みな吹上の湯で膝や腰や糖尿を治したとお湯自慢に花が咲いていた。私はというと、熱くてピリピリくる酸性のお湯に久しぶりに入ったのと足下の凍る中で着替えたのとで、十分入浴したしさあ服を着るぞとお湯から出たときにスッテンと雪積もる石の上で転んでしまった。入浴者の服がわんさか置いてあったところに尻をついたから良かったが、真冬の北海道の寒さに慣れない方、着替の際は足が凍ることを注意してほしいと伝えたい。

カミホロ荘に戻ると、ここのお湯はph2、9の酸性のお湯で、ほぼ無職透明で舐めてもあまり酸っぱくない。露天にしか入らなかったがそこに広がる景色は幽玄で、何時間でも見ていられる世界だった。カミホロ荘に向かう前あたりからちょうど外が吹雪いてきたため、露天でも手前の木々以外は空も見えないまったくの白銀の世界だった。ただただ雪を積もらせた裸の木々が宙に浮くように目の前に聳えている。露天のヒバとヒノキでできているという壁には樹氷のような雪の文様が斜めに入って、厳しい寒さを物語っていた。手でなぞると簡単に落ちゆくその雪の流れは空気を切る風によりとてもシャープにラインをつくっている。水滴が立っているような様相を見せるそんな露天の壁は、一度は蔵王の樹氷を見たいと思っていた私にとってとても嬉しい発見だった。一緒に入浴していた実際に蔵王の樹氷を見たことがあるという母が、樹氷ってこんな感じよと言ったとき、私は十勝岳と蔵王二つの雪の世界を満喫した気分になって大満足を得た。

内湯には7~8人入っていたと思うが冬の露天の寒さを警戒してかこんな絶景だけれども他に客は一人しかいなかった。でも、地元の見飽きている人でない限り、この露天の景色と壁の樹氷もどきを是非見てほしいと思う。因みに加温はしているが加水はしていないらしい。