『隠喩としての病』は、勇ましいソンタグ節みなぎる一冊だった。
自身の癌体験が執筆の動機となったとのことだが、「隠喩としての癌」を越えたところの、自身の癌との格闘の苦しさが伝わってくる文章の数々だった。
因みにベトナム反戦運動の頃から注目されるようになったソンタグの、とてもソンタグらしい癌の隠喩は、「白人種は人類史上の癌である」だと思う。
あと何冊ソンタグの著作を読むかはわからないが、少なくともあと一冊は読んでみようと思える『隠喩としての病』だった。
その逝く処を識らず~とある庵主の手記