メトロポリタンオペラで上演された、フランスのオペラ作曲家のアンブロワーズ・トマによる『ハムレット』がNHKで放送されていた。
歌にのっているためか、フランス語であることに違和感は感じられず、ハムレット役のサイモン・キーンリーサイドの熱演に関心しながら楽しむことができた。
幕の最後の方でオフィーリアが死ぬ場面では、死んだと同時に拍手が沸き起こった。映画だったらもらい泣きしそうな場面であるが、オペラだと、特に今回の演出だと、観客の多くはオフィーリアの悲劇よりも歌手の歌と演技のうまさに視点がいっているようだった。
そして私は最近そういう理由で映画よりオペラを好んで観るようになった。悲劇ものはリアリティ満載の映画よりもオペラ仕立ての方が、歌や音楽にも関心がいくので精神的に楽にみられるからだ。
音楽も良かったし、それを指揮するルイ・ラングレも頑張っていたと思う。
この機会にトマのフランス語ハムレットを観られて良かった。