一泊目、既に日が暮れて真っ暗になってから私が『鹿の谷』に着いたのは夜8時くらいでした。相当にお年をめしているであろうとても上品な女性が出てこられて、泊まる部屋を案内して下さいました。
そしてその後すぐにお風呂へ。母と二人で来たのですが、この日は貸し切り状態でのびのび入れました。露天に行くと天井には天の川が広がり、随分寂しいところに来たなあと道中抱いていた思いはすっかりなくなる絶景でした。ただ、露天までの数十メートルは暗い電灯が一つしかなく辺りがよく見えないうえ、すぐ側が崖なので、初めて来られる方は夜の露天風呂は危ないかもと思います。私は最初一人で露天に向かおうとして出ていったのですが、何も見えなくて引き返し、ここに来たことのある母に連れられてその後行きました。
露天からの夜空。
肉眼では天の川が見えるのですが、
このカメラでは真っ暗にしか写りませんでした。
翌朝六時くらいの景色です。
例年より遅めの紅葉ですが、こうして木々が色づいてます。
このように、露天の脇は崖です。
内風呂
二泊目に来たときは土曜の夜七時頃だったのですが、先日とはうって変わって駐車場には車が何台もとまっているし、お風呂もどうやらお客さんが多数おられる模様なので、こういう秘湯の混浴に慣れない私は怖気付いて女性専用の内風呂に入りました。山の写真を撮る方や親子連れの方等、とても賑やかな秘湯『鹿の谷』の土曜の夜でした。
ただ、それも八時を過ぎるとぱったり温泉から人影がなくなり、その後は一泊目同様貸切状態でのんびり4種類の温泉につかることができました。敏感肌に悩む私ですが、ここの泉質が合っているようで、肌の調子がよくなり、傷の治りも早いのを実感しました。せめて土日だけでも男女時間交代制にしてくれればもっとゆっくり入れるのにと思いながら、でもこの大雪山の秘湯でそこまでやって採算がとれるかと思うと、そしてあのお年をめした女将さんがそこまで世話を焼けるかと思うとそれは無理かと考えを改めました。
二泊目の朝、部屋で朝ご飯を食べていると、なんと、窓のすぐ向こうに鹿が4頭あらわれるではないですか。『鹿の谷』だけあって、本当に鹿が出るんですね。
鹿も食事中でした。
駐車場の方に来た鹿です。
かゆいのでしょうか。
駐車場でも食事は欠かしません。
ただ一つ難だったのは、暖房をつけるために部屋が乾燥して喉を痛めたことでしょうか(他の宿泊者は平気そうなので、あまり気にするところではないかも知れませんが)。
大雪山の陸の孤島にぽつんとある『鹿の谷』、土日だけでも男女入替制にしてくれて、部屋に加湿器があれば文句なく五つ星です。男女入れ替え制は、この客の頻度では叶わぬ望みか・・・。でも湯治にまた来たいです。