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2010年10月21日木曜日

アーミッシュ

図書館でたまたま見つけた写真集『”シンプル”という贈り物 アーミッシュの暮らしから』。

私がこの写真集を手にとって最初に思い出したのが、映画『刑事ジョンブック』に出ていたアーミッシュの女性役のケリー・マクギリスですが、無地の黒い服をいつも着ていたような記憶が。そういえば、中森明菜も何かの曲で「・・・・・・今夜だけアーミッシュ・・・・・」と歌ってました。

写真家ビル・コールマンがふとしたきっかけで入っていたアーミッシュの共同体ですが、彼は25年以上に渡ってその暮らしを撮り続けています。そしてそれらをまとめたものがこの写真集というわけです。

最初のページに出てくる馬車のある風景写真は本当に絵画のようです。アーミッシュは現代の文明から離れて暮らそうとする人々で、電気も車も使用せず、その生活は遠目から見ると昔のヨーロッパの田舎暮らしのようです。そのためか、写真も美術館に展示されてる昔のヨーロッパの風景画のようです。因みに北アメリカ大陸で暮らす彼らですがドイツ語を話してます。

面積からいっても人口からいってもとても狭い共同体のなかで、ビル・コールマンが25年写真を撮り続けたというのがちょっと賞賛したくなります。閉鎖的なところで追い出されなかったというのも、この写真家の人柄なのか、なかなか貴重です。

アーミッシュの共同体についてですが、例えば納屋づくりとなると、村中の人々が集まって作業をし、一日で終わらせてしまうそうです。そうやって同士としてのつながりを確認しているとか。なんだか日本の農村の集落のようです。そしてそうしたところにある田園風景と同じくアーミッシュの村は写真で見る限り美しいんです。未舗装の道路を馬車が走る姿や裸足で歩く姿を見ると、なんだかとても健全に見えてきます。

アーミッシュでは16才になると一度共同体を離れて一般社会で普通に暮らし、その後成人になる際にそのまま一般社会で生きるかアーミッシュとして共同体に戻るかを選択します。ほとんどが戻るという報告もあれば、大学などに行ってしまうと、視野が広がり戻らない人が多いとも聞きます。

そんなアーミッシュの素朴な暮らしを垣間見ることのできる、『シンプルという贈り物』でした。