日暮れがすっかり早くなって秋の訪れを感じますが、そんな日暮れが来る前に日差しを求めて川で読書をしました。
いつものように土手に腰を下ろすと雲が太陽の前に立ちはだかっているため既に辺りは薄暗く、視力が悪くなったかと思いました。暗いことに若干の違和感と不満と不安を抱きながらもしばらく読書していると、シロサギが一羽、川に降り立つのが視界の片隅に入ってきます。贅肉のないスリムな体型です。シロサギがいつものように首を伸ばしたり縮めたりしながらウロウロしているのをよそに本に視線を戻して2~3ページ読んでいると、いつの間にかシロサギは20メートルくらい移動してます。そしてもうしばらくするとまた20メートルくらい移動してます。
大雪山のなかに住んだらエゾシカをシロサギくらいに思えるようになるかも。窓の外に鹿が出没した『鹿の谷(幌加温泉にある温泉宿)』にしばらく泊まれば、鹿を珍しく思わなくなるかな。そういえばあの宿にはハンターお断りの札があったはず。
鹿追そばの『おち庵』の店主さんは脱サラした後に自分であのログハウスを建てたそうです。テントを張って3年ほどかけて建てたそうですが、真冬の寒さをよくしのげましたね。元々北国の人ではないのにすごいです。ログハウス内には薪ストーブがあり、その傍には薪が積まれてあり、安心とくつろぎの空間です。猫と犬がいて、写真も飾ってあります。これは、脱サラ成功版と言えるのではないでしょうか。冬はあまりお客さんが来ないそうですが、10年以上営業を続けてます。また来年も顔を出したくなる『おち庵』です。
さあ、シロサギ再び、と言っても、日が暮れ始めてお尻のコンクリートが冷たく感じられてもう腰を上げたい私。対してシロサギははるか下流までてくてく歩いてました。なんかいいもんあったかい?と聞きたくなるシロサギさんの歩みでした。
北海道は下手すると半年は雪の中。そんな雪国では、どんなにガーデニングを頑張っても半年は雪景色を見ることになり、ガーデニングへのモチベーションが下がってしまうのではないかとの懸念が湧いてきました。雪吊りしても縄が雪の重さでちぎれてしまうのではないかとか。それでも最近は、上野ファームや紫竹ガーデン、三浦庭園など、ガーデンがいくつもできました。うちのガーデンは・・・・・・(現在畑)。
家に帰る途中、ちょっと前を歩くおばあさん二人組が通り過ぎる人たちによく挨拶してます。近所付き合いのない私は誰が近所の人かもわからないのですが、こうしてまだまだ地域密着型コミュニティがあることを知りました。でも、とてもよくご近所のことを知っているらしく、それが逆に怖くも感じられますが。
読んでいた本は『失われた時を求めて9 囚われの女Ⅰ』の、ワーグナーや19世紀の作家たちのことを主人公マルセルがあれこれ考えているところです。『ミシュレについて・・・・・・その最大の美しさは作品そのものよりもむしろ作品に対する彼の態度のなかに、・・・・・・』の箇所を読んでいて、そういえばヴァージニア・ウルフは彼女の小説よりも日記の方が面白かったなあと思い出しました。ヴァージニア・ウルフの「ズバリ言うわよ」といった感じで、知人友人その他についてズケズケ書いてます。
シロサギさん、また明日。