1919年ドイツヴァイマールに誕生したバウハウスの理念は「すべての造形活動の最終目的は建築である」というものだそうな。ということで、自己の表現だけに偏らず、技術的な力も備えることを重視した教育が施されたとか。
今回の展示では、バウハウスのキッチン関連の作品を中心に紹介してましたが、バウハウスで重要なのはやはり大量生産に向けて商品が規格化されたことではないでしょうか。キッチン自体も、キッチン用品も、現在のシステムキッチンのように規格化されてます。そして同様に規格化された「テルテン集合住宅」もつくってます。この集合住宅は安く入居することが求められ、自然光と換気だけは必要不可欠として設計されました。写真を見ると社宅のような感じでした。
バウハウスは女子学生も多かったのですが、そのほとんどが女子学生だったという織物工房では、技術に精通した指導者がいなかったために、学生たちは自由に活動し、それが良い方向へと向かったそうです。この時代の代表的な人がグンタ・シュテルツル。逆に師匠が偉大だと弟子が育たないって、なんだかよく聞きますね。
最初に掲げた理念がどこまで実現したかどうかはわかりませんが、随分といろいろな試みをしているのが伺える展示でした。
旅行で富良野に行った際にグラスフォレストインフラノというガラス細工のお店に立ち寄りましたが、こちらは同じ商品が二つとないお店で、バウハウスの規格化とは反対でした。そして値段も高かったです。
バウハウス展を見た後は、パナソニックのショールームに足を運んでみました。最新商品が展示されているそのなかでもっとも目に付いたのが食器洗い機。バウハウスは女性を家事労働から解放するためのキッチンも提案していたのですが、食器洗い機も炊飯器もその延長にあるように見えてきます。
本物の部屋のように分けられたところにああして家電がきれいに並んでいると、確かにこれは使いやすいと思えます。でもこれをそろえるにはうちは狭すぎでした。よっぽど広いマンションか一軒家でないと。
最後にあるのがAVシアターのようなお部屋。ここでラスベガスの舞台でタイタニックの主題歌を歌うセリーヌ・ディオンを見せてもらいました。コンサートホールにいるような臨場感で感動しました。セリーヌ・ディオンに感動したことはないのですが、60インチとかいうテレビでスピーカーがあっちこっちにあってというところで見ると、感極まるものがあります(そういう目的で見せているのではないと思いますが)。
因みにここのミュージアムにはルオー・ギャラリーもありますよ。
新橋からパナソニックビルに向かう途中には宮越屋珈琲があります。
マンデリンです。苦くて渋い珈琲でした。
晴天の新橋でした。