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2011年4月5日火曜日

天人閣・天人峡温泉

設備は古いが泉質は良いという噂を聞きつけ、天人峡温泉にある天人閣に行ってみた。旭川から天人峡に向かう道路では、去年の八月に崩落した部分が未だ工事中だった。

白鳥がいっぱい

大雪旭岳原水ではこんなに豊富に水が流れ出ている

母がミズバショウ の蕾だというが、私にはわからない

切り立った岩肌が剥き出しの天人峡は、雪が残るものの蕗の薹がところどころ顔を出し、すっかり春の様子だった。

真ん中あたりに蕗の薹が

このあたりの旅館やホテルはどこも古びて活気があるように見えないのだけれど、実際観光客はほとんど見られなかった。

天人閣は、フロントはきれいになっていてロビーのソファーも立派なものの、そこからやや歩いたところにある大浴場までの道のりにあるゲームコーナーは閉ざされ、建物自体も手入れが行き届いている風には見えなかった。そのため温泉への期待は若干薄れたのだが、脱衣場から浴場へ入った途端にそんな気持ちは吹っ飛んだ。

まず、五右衛門風呂があるのである。三つ並んでいて誰もお客さんがいなかったので、私と母とで一つずつ入ってみた。これがとても風情がある。すっかりうれしくなってしまった。

すっかり曇っているが、五右衛門風呂

露天に出てみると、薄く茶色に濁ったお湯の湯船があり、相変わらずそこには誰もおらず、独占状態で入浴を楽しむことができた。目の前の岸壁は雪で覆われ、時々なだれのように雪が流れ落ちていく現象が見られる。その下では忠別川が流れ、心地いい川音が聞こえてくる。露天の左向こうには涙岩があるらしいのだが、私には確認できなかった。湯船の温度は42度くらいに感じたが、出たり入ったりを繰り返して一時間ちょっとの入浴を終えた時には、バリバリだった肩の凝りが爽快になった。

湯船はオレンジ色の小さな湯の花が舞い、湯底の岩に手をつけると手にいっぱいの湯の花がついてきた。ph6.3というこの温泉は、苦いような甘いような、飲んでみるととても不思議な味だった。でも、身体にいいお湯だという味に思えてならなかった。温泉ってありがたい。

露天風呂
湯の花がいっぱい

天人閣を出ると4頭の鹿が断崖絶壁を降りながら草を食べているのを見て、随分器用なんだなあと感心した。猫好きの私だが、野生の鹿に格別の感動を受けた。
保護色でわかりにくいが、三頭の鹿が写っている

来て良かった。