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2011年4月20日水曜日

原発に傷つけられて

福島原発の収束の見通しが以前よりはやや見えてきたのとは裏腹に、最近うちの夫は荒れている。このまま収束してこのまま国民が文句も言わず引いてしまっては、東電の思うつぼではないか~、と。

その通りで私も憤りを感じている。

中央区の人形町にある東電寮は社名のプレートをテープですっかり覆って見えないように工夫しているようだが、ある飲み屋では、東電の人が社章をつけたまま訪れて、他の客にビール瓶で殴られたと聞いた。後ろめたいのか、未だ自分たちの仕出かしたことの重大さがわからず呑気に飲み歩いているのか、不思議な集団である。

東電は今どき珍しく、女子は総合職採用されても一般職のような扱いを受けると『東電OL殺人事件』という佐野眞一のノンフィクションもので読んだ記憶がある。もしそれが概ね本当ならよくよく不思議な集団だ。

東電の男の社員がグータラなら、その妻は首に縄をつけて福島に連れていくべきだと思う。妻として、夫が社会的責任を果たすよう行動すべきだ。そんなことはないと思うが、万が一疎開などしているのなら、東電の妻失格である。もし子どもがいるなら、理由を話して疎開先の誰かに引きとってもらえばいい。

福島の人たちが、本当に今現在そんな暮らしを強いられていることを、彼ら彼女らはどう思っているのだろう。

Jヴィレッジの話を聞いても、東電の人は他の組織に属する人のことは下層階級くらいにしか思っていないとしか受け取れないことをしている。それは勝俣会長の会見を見ていても、その表情から思うことだ。悪いことをやったことはわかっている、でも心の底から悪いと思っているわけではない、なぜなら確信犯だから。かつ、恐らく5年後10年後に出るであろう放射線障害の患者に対しても、全く痛みを共有していないようにしか見えない。痛みを共有できないのは、ボス失格である。

そしてそれが二重三重に原発被害者を傷つけていると思う。

うちの夫も、福島の人より被害は格段に少ないが、その為に傷ついている一人だ。