BSハイビジョンにて「アンデス・天空の医療民族カヤワヤの旅」
という番組を見ました。
カヤワヤは南米アンデスの山間部に暮らしてます。
心と体、大地、動植物の関係について独特の世界観を持っていて、
薬草などを使って人々の病気を治していきます。
コカの葉は治療以外に、吉凶の占いにも用いていました。
自然散策好きの私などは愚かにもこんな暮らし良いなあと
一秒くらい思ってしまうのですが、
2秒後には愚かな幻想だと思い直します。
たくさんの薬を抱えて隣村まで2時間歩いて往診に行く姿。
往復4時間です。
しかも山間部で空気は薄いんです。
でも、人々はカヤワヤが来るのを待っていて、頼ってます。
症状が良くなるのは薬の効果もあると思いますが、
よく話をきいて治るようにしてくれることへのプラセボ効果もある気がしました。
それくらい、カヤワヤは患者の話をよく聞きます。
番組で紹介されていたカヤワヤは、アルパカの毛でも生計を立てています。
普段の住居より更に高いところでアルパカを飼っているのですが、
恐らくまだ十数歳であろう娘が学校に通いながら世話をしてました。
そこに着くまでに一時間くらいはかかってたでしょうか。
一人でたくさんのアルパカの世話をし、自分の食事も作り、床につくのです。
彼女は将来カヤワヤの女医になるか考え中のようでした。
息子の方は父について修行中。
つくった塗り薬などを町に下りて売りに行くのですが、
町のほうではまだカヤワヤの有効性があまり知られていないようでした。
もう一人の息子は電気工学を勉強して大学に行きたいとのこと。
カヤワヤの一族にもいろいろな生き方を選ぶ人がいるようです。
そして、カヤワヤになることを強制しないのでした。
カヤワヤはこうして1000年以上の昔から
この地域の人々の医療を担い続きてきたそうです。
日本にも漢方薬がありますが、
漢方薬にも独特の考え方があります。
カヤワヤと同じく薬草などをつかい治療していくのですが、
世界観は微妙に違うようです(私は説明できるほど詳しくないのですが)。
でも、患者の話をよく聞き、
無理矢理ではないやり方で治していこうという姿勢には
何か共通するものを感じました。