1956年 アメリカ映画
監督アルフレッド・ヒッチコック 出演ジェームズ・スチュアート、ドリス・デイ
オーケストラの打楽器がドンドン鳴り響いて映画は始まります。
サスペンスな予感たっぷりです。
フランス領モロッコへ息子を連れて観光に来たマッケナ夫妻。
スパイの男が目の前で刺殺され、自分にある言葉を言い残していく・・・。
バスで移動していたところ、ひょんなことから要人暗殺計画に巻き込まれるのです。
平和な日常を送っていたマッケナ一家は、一気に神経衰弱の世界に落ち込みます。
しかも息子が誘拐されて、マッケナ夫妻はてんやわんやです。
快活で好奇心旺盛な元ミュージカル・スターの妻ジョーは、
『ケ・セラ・セラ』を息子に歌って聞かせていたのですが、
息子が隠されている大使館で、
息子に届けとばかりに『ケ・セラ・セラ』を大声で歌います。
届け届けと必死に歌うジョーに思わず感情移入してしまいます。
ジョーの歌声に気づいた息子は口笛でこたえます。
そしてベンが息子を見つけ出します。夫婦の二人三脚救出劇です。
典型的な巻き込まれサスペンス映画になってますが、
ヒッチコックの作品は相変わらず面白いです。
役者たちの分かりやすい挙動不審さがまたおもしろいです。
どう考えても先が読めるストーリーなのに、なんでこんなに面白いのでしょう。
安心してハラハラドキドキを楽しめます。
最後に出てくるオーケストラのシーンは
映画史上に残るとも言われる壮大で壮絶なシーンです。
暗殺者がピストルを構えている、
ジョーはどうすることもできず途方に暮れながらも右往左往、
ベンはようやく劇場にたどり着く・・・。
ピストルが打たれるのはシンバルが鳴るところ、
阻止出来るか~とのところで、
歌で鍛えた大声で悲鳴をあげ、銃弾をそらすジョー。
あんたはどうしてそんなに天然なのと、どこか笑わせてくれるキャラです。
ドリス・デイの歌う『ケ・セラ・セラ』はとても有名ですが、
1956年のアカデミー歌曲賞を受賞してます。