中央大学で裁判員制度の模擬裁判を一般公開するというので行ってみたところ、HPに書いてあった9号館ではまったく開催の気配がなく、どこかに張り紙でもないかと探してみてもなにも見当たらないので、日付を間違えて来たか中止にでもなったのかと、泣く泣く学食でお昼を食べて帰った。
ところがこの学食が室温32度くらいはあろうという暑さで、広いキャンパスを歩いて暑くなった身体にはこたえるものがあった。節電もここまでくると行き過ぎの感がある。
しかし学生たちはつい最近まで高校生であり、今現在も体育の授業があったりと、私に比べて格段に体力があって暑さに強いらしく、この暑さのなかでもバテた様子もなく、友人同士楽しそうにお昼を食べていた。
その後涼しいところはないかと学食から3号館のカフェテリアに移動するも、ここは学食よりも室温が高いのではないかと思うほどでなんら涼むことはできず、それでも自販機でアイスクリームを買って食べたものの頭は朦朧とする一方だった。
一見和気あいあいと和やかでユートピアなキャンパスライフに見えるが、学生は若いからこの暑さで授業してもやっていけるとして、先生たちはさぞ大変だろうと思われた。そして、この温和でユートピアなムードのキャンパスライフにあまりに長期間浸かりすぎると、室内で生きる猫や犬が外で生きることが大変なように、外の荒波では生きていけなくなるなとしみじみ思うのだった。
そんな寺の境内のようなキャンパスを横切り、多摩都市モノレールに乗って帰った。
帰宅して調べてみると、模擬裁判があったのは9号館ではなく8号館で、9号館は先週開催された模擬裁判の教室だった。しかし、8号館の前も通ったはずなのに、何も張り紙がなかったのが不案内だと思い、医師のいいなりに不必要な検査をしてしまったことを後で気づいた時のような無念さが残った。
今度行くときはもっとちゃんと調べていくことにしようと強く思いながらも、それでもあの暑さのなかでの模擬裁判なら、途中退出を余儀なくされたところだろうと想像するのだった。