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2011年3月8日火曜日

後楽園から御茶ノ水散策

(先日の続き)
小石川後楽園につく頃には大分雨は弱まったもののまだまだ降り続き、石段続きのこの庭園の受付の人に、今日は滑りやすいので足下に注意してくださいと言われた。

私は要注意の石畳と石段の多いこの庭園を、通天橋の方からまわって梅林に行こうと思った。滑って転んで池にでも落ちないよう細心の注意を払って進むのだけれども、六義園では池の中で微動だにしなかったカモたちが、後楽園では、途中にある西大湖のカモがみな陸にいる不思議さについつい目が行ってしまって足元がおろそかになってしまう。カモたちは芝のなかにご飯になるものを見つけているようにも見えるのだが、本当のところはわからなく、寒くてそれ以上観察しようとも思えなかった。

お目当ての梅林は、六義園に比べて規模が圧倒的で見事ではあるが、雨に濡れてやはりどこかもの寂しかった。花盛りなのに雨と寒さで客がいないことも理由の一つかもしれない。後楽園では積もった雪が大分解け始め、既に散った梅の花びらが雪の下から黒い地面とともに顔を出して淡い美しさを見せていた。それはピンクの枝垂れ梅のところでひときわ目立つ美しさだった。その隣の松の木では、シロサギが大きな羽を広げて地上から優雅に羽ばたき木のてっぺんにとまり、再び羽を畳むところだった。そしてここでもカモたちは池の中ではなく陸上にいた。

後楽園には木曽路を見立てた道があるが、寒さのために私の歩みがいつもより相当に速まっていたようで、暗くて寒い木曽路から池の見晴らせる明るい地点につくまでに随分あっという間だと感じた。

どこを歩いても寒かった後楽園を後に、日中会館の横を通り抜けて外堀通りをお茶の水まで歩くことにした。しばらくすると水道橋駅が見えてすぐそばには東京ドームホテルがある。このあたりにはトヨタの東京支社のビルもある。それが白山通りを渡ると突如学校だらけになり、どこか味のある校舎の工芸高校の隣には昭和一高、手前に元町公園、その2ブロック先には順天堂大学と順天堂医院、東京医科歯科大学と附属病院という大学病院二つが真隣に並んでいる。

東京医科歯科大から御茶ノ水の駅はすぐで、私はそのまま総武線に乗って帰途に着いた。

因みに順天堂大は、婦人科の腹腔鏡手術では日本一を誇っているらしい。