スーパーなどから水が消えて困っていたここ数日だが、北海道の母が水を送ってきてくれた。老体に鞭打って、ある酒造で母自身が汲んできたという水である。
この水がとてもおいしいのだ。
大地震後、何かを口に入れて美味しいと思ったのはこれが初めてだ。一端京都に疎開したときに食べた和食は確かにとてもおいしかった。しかし、その美味しいとは違う感覚で、より感動が大きいのである。環境が悪化したなかでは、水などのより生きることに必要なものほどおいしく感じるのかも知れない。
人生でこれほど水をおいしいと感じたことはなかったと思う。
ここ数日は水節約のため、今までは波波と水を注がれた器で水分をとっていた我が家の猫も、飲み切るまでつぎ足されないという目にあっていた。これで猫にも存分に飲ませてあげることができ、本当に良かった。