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2011年3月22日火曜日

大阪散策

高校の修学旅行で関空を利用して以来初めてとなる大阪を散策することにした。最初に行ったのは四天王寺である。

宿泊した新大阪のビジネスホテルから御堂筋線、谷町線と地下鉄を乗り継いでやって来たものの、最寄り駅の四天王寺夕陽ヶ丘に降りても大きなお寺の雰囲気とはほど遠い中層階のビルが並ぶビジネス街にしか見えずやや戸惑ったが、四天王寺への矢印がある方向へ向かうと程なくして参道が現れ、両側には土産物屋が並び、それまでとは打って変わって人が多くなった。四天王寺の境内に入っても人が多いことに変わりはないが、青空市のように出店が多く随分と庶民的で、ここ数日間京都のお寺を見てきた私にはちょっとした驚きとなった。そして都内で見る価格の半額くらいだった屋台のやきそばなどにはさらに驚いた。大阪のすごみを見た気がした。

亀井堂では経木流しが行われていてひと際人が多かった。それは本当に経木が海に流れていくようだった。その後宝物館と本坊庭園に行ったが、有料だからか境内の賑わいに比べてこちらはほとんど人がいなかった。
亀井堂

本坊庭園は、地獄を通って最後は極楽浄土へというシナリオが組み込まれた造りの庭園なのだが、地獄の部分も極楽の部分も私にはすべて居心地よく楽しめた。順路通りに行くと最後に方丈が出てきて入り口正面の壁絵を楽しめるのも嬉しい。そして方丈の縁側の前に広がる補陀落の庭は、それまで続いてきた庭以上に良かった。和風建築に囲まれたこぢんまりとしたこの庭はとてもシンブルで、梅のピンクと椿の赤が明るいアクセントとして彩りを添えていた。誰もいない縁側に座り、ずっとその光景を眺めるのは随分な贅沢に思えた。
本坊庭園


実は貪欲にそこそこ観光をしてきたことが祟って、大阪に着いたときにはフラフラだった。そして四天王寺に来るときもやはりそのフラフラ感は続き、地下鉄の乗り換えを間違えるなどのミスをおかしながらもお寺に着くと、ボーッと境内を歩き、ようやくこの浄土の庭にたどり着いたのだった。いろいろな菩薩や如来を見ているうちに大分正気を取り戻したように思えたが、誰もいないこの庭園が一番の私の落ち着きとなったと思う。大阪の人はこの手の庭園にはあまり興味がないらしいが、逆に人がいなくて私には幸いだった。
方丈

補陀落の庭

その後、大阪の町を見て歩こうと四天王寺を出ていく人の流れに沿って一緒に歩いていると、いつの間にか天王寺商店街に出た。人の多さのわりに道幅が狭いために、行く人と来る人で押しくらまんじゅう状態が続き、どでかい声で声かけをするあんちゃんがいたり、怒ってるんだかただ単に説明しているんだかわからないおっちゃんからおばちゃんが妙に納得顔で買い物をしていたりと、これが大阪でものを買うということなのかと実感しながら、やや怯えつつJR天王寺駅まで歩いた。昼時でお腹が減ってきたために地元のレストランにでも入ろうと思ったが今一つ勇気がわかず、意を決して入ったところは満席で、結局ドトールでランチを取った。ちょっと情けなかった。
 
五智光院

ハトがいっぱいの石舞台


その後地下鉄谷町線に乗り天満橋で降り、大阪城公園を目指した。駅の周囲は完全に官公庁街でありオフィス街であるが、大阪テレビ、日本経済新聞を過ぎて数分歩くと京橋が登場して公園が見えてきた。

巨石からなる石垣は皇居の石垣に負けずとも劣らない迫力で、まずその石垣に圧倒される。そして内堀を渡って天守閣に向かうも、広くて歩けど歩けど天守閣にたどり着かない。微妙に上り坂なのも疲れる要因となった。公園内は皇居と同じく地元の人らしき人が数多く散歩したりベンチで休んでいたりで、広く市民に親しまれている感があった。

金色の装飾が施された天守閣はその金が故にとにかく遠目にも目立つ。そして間近に来てみるとやはり金が際だつのだが、前の広場には観光客が多くて、これだけの人を呼ぶにはこれくらいきらびやかであることが普通なのかもしれないと、妙に納得してしまった。疲れたので天守閣には入らなかったが、外から見るだけでも十分満足できた。
内堀

天守閣

天守閣付近から見る大阪の街は、高層ビルの数は全く違うが皇居から見る大手町や東京駅あたりとあまり変わらないと思った。どんどん再開発が進んでも、こうした大きなお城は残るらしい。

天守閣から大阪城梅林へと降りていくと、種類によっては満開の梅の木を見ることができる。降りていく途中で見る梅園は、その先に広がるビジネス街の手前にあるにもかかわらず、散った花びらも多いこともあって小さな存在感しかなかったが、梅林の中に身を置くと、一つ一つの花の美しさに驚かされた。
梅林




その後桃園にも寄って地下鉄長堀鶴見緑地線の大阪ビジネスパーク駅から心斎橋乗り換えでホテルへ戻ることにした。ところがせっかくだからと心斎橋で降りて街を歩いてみることに、、、続く。

桃林