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2011年3月24日木曜日

難波から宇治山田~伊勢神宮

大阪から伊勢神宮を目指すべく、近鉄難波を出発して大和八木で賢島行きの特急に乗り換えた。


大和八木までは町屋のように壁が触れあうような住宅が並ぶ光景が多く見られたが、大和八木を過ぎてややもすると田畑が広がり始めた。と言っても山間を走る電車の車窓からの眺めは、瓦屋根の集落が田畑に混じって谷間を埋めているという縦長にはどこまでも続くけれどもそれほど広いものではなかった。

周囲の山々が比較的低いとはいえこれだけ山と住居が隣接しているのは、熊がでるだろうとか蛇がいるのではないかなどと、私にはちょっとした恐怖だった。数日前に行った同じくらいの標高(に私には見えた)の山に囲まれた亀岡ではアライグマや狸が出ると地元の人が言っていた。亀岡よりもっと山が近いこれらの集落で野生動物が出てくるのは言わずもがなではないだろうか。

それにしても、名張あたりまでに見える棚田の景色はとても美しかった。棚田は平らな田圃より労力がいるというが、労力が必要なものほど傍目には美しく映るものなのかもしれない。

山が間近なところを電車が走ると落葉樹と針葉樹、常緑樹の違いが鮮明にわかり、落葉樹は枯れ木のように白みを帯びてすかすかで、随分風通しがよさそうに見える。まれに梅の濃いピンクが見えるのは一本だけそこにあっても一瞬で通り過ぎるためにきれいだなどと観賞する暇なく通り過ぎるのだけれども、はっとする変化を脳にもたらし、より山景色に注意力が向かうのだった。

こうして2時間強の電車の旅を楽しみながら、ようやく宇治山田に到着した。伊勢が近づくにつれて緑たなびく稲穂(に見えるが季節からいってどうなのか)が風にそよぎすがすがしかった。畑の土は、このあたりは乾燥しているこの日だと白っぽい灰色に見えた。

宇治山田からは、早速バスで外宮へと向かった。

豊受大神宮はまさに神話の世界だった。明治神宮などよりもっとずっとつくられた神域で、非日常の極地だった。ある種ディズニーランドくらいの別世界だ。大体仕事中の神主はコスプレに見える。でも、こういう場が人間にはきっと必要なのだろう。だから2000年も続いてるのだ。


外宮からはバスで内宮に向かったが、途中にある宿泊先の神宮会館で荷物を預け、身軽になったところで内宮に向かった。神宮会館から徒歩で5分ほどのところだ。

内宮は外宮より参拝客が多かった。これが天照大神のパワーかと思うほどに、みな真剣そのものに手を合わせていた。参拝客の特徴としては、先日行った四天王寺が年輩の人が多いのに比べ、伊勢神宮は若い人がとても多かった。

外宮の後だったためにこの雰囲気に慣れたのかもしれないが、内宮は外宮よりも非日常感が少なく感じた。ぶっとい見事な杉の木が通りのいたるところに生えていてそちらに意識が行くからかも知れない。私はなにより五十鈴川の美しさに見とれるばかりだった。境内のある箇所では川に手を入れられるほどまで近づくことができるのだが、水はやや冷たく、外宮内宮と歩いてからだが暖まっていたので気持ち良かった。

あのいちいちある白石に、本当に芸が細かい伊勢神宮だと思った。

そしてなにより内宮前のおかげ横丁で会った猫がかわいかった。

宿泊した神宮会館は、値段のわりにとても過ごしやすい宿だった。私のプランは部屋に風呂がないため大浴場を利用するのだが、部屋にもドライヤーがあったりと、宿坊としては至れり尽くせりの備品だと思った。
以下外宮の風景




馬は人気者だった
草音号




以下内宮の風景

五十鈴川


御正殿

ここでも馬は人気者
晴勇号

川も石畳

おかげ横丁にいた猫

猫も人気者

神宮会館の夕食