北風が強くて、土手を歩いていると南側にたなびくビニールひもが身体にぶつかってくる。10歩くらい歩くとまたぶつかり、さらに10歩ほどか歩くとまたぶつかる。ビニールひもの向こうでは芝生養生中らしい。大地震後一番冷たい風に残酷さを感じながら数人とすれ違うのだけれども、歩みが若干力ない。
大地震の翌日にはすべてつぼみだったコブシが、この寒さのなか真っ白で名高い花びらをのぞかせている。春は確実に来ている。信頼できる友情を歓迎しながら。やっぱり地球はまわってる。
その逝く処を識らず~とある庵主の手記