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2011年3月21日月曜日

亀岡・京都

以前都庁に行ったときに亀岡市観光フェアがあり、亀岡も観光に力を入れ始めたのだなと思ったことを思い出した。そこで疎開で京都に滞在中の今回、亀岡駅付近を散策してみた。


亀岡の観光の中心は、明智光秀に始まる亀岡城から連なる城下町のようだが、今は亀岡城跡は大本教の本部になっていて、境内は公園として市民が自由に出入りできるようになっている。通りからも見えるのだが、この季節は梅園がきれいだ。
大本教本部(「おほもと」とある)

城の南側には呉服町や京町など、いかにも小京都らしい地名があり、古世地蔵堂や天満宮、少し東に行くと祇園社がある。このあたりは歩道が整備されていて歩きやすく、確かに観光客を意識した街づくりに尽力したことが伺える。そして酒造や町家が残り、蔵や白漆喰、犬矢来などでつくれたタイムスリップしたような昔ながらの景観の町並みを楽しむことができる。けれども残念なことに、わりと近い嵯峨嵐山などに比べると、いや、比べなくても、圧倒的に観光客の数は少なく、私たち以外に観光客らしき人は一組しか見かけなかった。
八坂神社

古世地蔵堂

丹山酒蔵

城下町を離れて車で市内を走ってみると、亀岡には駅を離れたところにも古い建築のままの民家が多く残っていて、風情がある地域がたくさんあることがわかる。しかしそれらの地域は観光を全く意識していないので、用水はありのままの姿で道路脇を流れており、狭い道をけっこうなスピードで車がしばしば走っていくために、そしてヨソモノが歩いていることに町の人が気づくと、誰だ?という疑問の視線が飛んでくるので、他の市だったら保存地区にでもして整備するであろうと思えるようなせっかくの古民家群だけれども、観光気分でゆっくりとはなかなか歩けない(私は)。

亀岡は低い山々に囲まれた小さな盆地で、昼になっても霧がかかっていることも多いが、周囲が低い山のために閉息感は感じられず、田園風景と古民家と霧の重なりは亀岡ならではの風景で美しい。嵯峨嵐山などではなかなか味わうことのできない農村地帯独特の閉鎖的雰囲気に触れるのも、カルチャーショックとしてはいいと思う。なにをしていたのか、おばあちゃんが用水から急にむくっと出てきたはときはおどろいた。とても働き者らしい。

因みに食べ物の名物はでっち羊羹という寒天でつくられた羊羹だそうだ。やわらかいゼリーのような触感で、歯が弱くなったお年寄りなどには好まれるのではないかと思う。


不況のことで頭がいっぱいで東北関東大震災にはさほど関心があるようには見えないこれまでの京都での三日間だったが、どれだけの実質的貢献があるかはわからないが亀岡駅前のイオンではマックのネオンサインがついてないなど節電していた。

でっち羊羹を買ったお店

この日は夫の両親につれられ『洛菜』という和食の料理屋さんでお昼を食べたが、とてもおいしかった。やはり京都の料理は芸が細かいと思わせられる品の数々だった。女将さん曰く、不況で誰もこない日もあって大変なんです、また来てください、とのことだった。

観光地としてはまだまだとの観が否めないが、京都の寺巡りに飽きた人はここの自然を満喫しに嵯峨嵐山や保津峡からさらに一足伸ばして来てみるといいと思う。
亀岡市を囲む低い山々


亀岡の田園風景