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2011年11月9日水曜日

ピッツェリア・バッジオより

六本木にあるピッツェリア・バッジオに私が入ったのは昼の12時半前で、すでに20人弱ほどの客が席を埋めていた。そして、ランチメニューはすべてピッツァであるがゆえに石釜が混んでいるのか、ピッツァが焼きあがるまでに25分ほど時間がかかると入店の際に言われた。

その25分を、ランチセットのサラダで埋める。

レタスとサラダ菜とカットトマトにドレッシングと、その上から黒胡椒がかけられているのだが、この黒胡椒が、ドレッシングの甘酸っぱさに混じってピリッとアクセントを加えつつも、その後口の中に甘い香りをもたらし、そして再びピリッとした感触を残してくれるので、25分をつぶすにはなかなか楽しかった。

その後、やや寒さを感じながらピッツァの登場を待つ。じっと待っていると、7~8メートル離れた左側の石窯の方からはピッツアの生地が焼かれる香ばしい匂いがしてきた。そしてその匂いは、数メートル離れた右側にある店の入り口の扉が客の入出店によって開けられるたびに、やや勢いのある香りの流れとなって店内を漂うのだった。

私はこの左右の環境の違いから、左肩は石窯の熱で暖められながらも右肩は外気の流入により冷やされるという目にあっていた。しかしそれも、真ん丸のピッツアが私の元に運ばれて、ピッツアの熱が冷めておいしさが減退する前に食べてしまおうとピッツアをとっとと食べつくしているうちに、全身がぽかぽかとしてきた。

もちもちの生地は、具の流出をくい止めようと1センチ以上の高さに膨れた額縁のところが程よくコゲて、香ばしさを増していた。しかし、せっかくの額縁も、カットされたラインに沿ってピッツアを取り上げると、たっぷり振られた具が切れ目からこぼれ落ちていった。

私はこぼれ落ちた具であるほうれん草とソーセージをもう一度生地の上に置きなおし、もう具が落ちないようにとアツアツのままほおばるのだが、一度こぼれ落ちた具とのこのかかわりは、よりピッツアを贅沢に感じさせてくれた。唐辛子色のオリーブオイルをたっぷりかけて食べるのもよかった。

最後の一切れに手をつける頃にはもう満腹というボリュームを楽しみながら、とてもいいランチタイムを過ごせたと思う。
本日のピッツア
ほうれんそうとソーセージ