誰もいない公園には空気の抜けたサッカーボールが転がっている。ただ忘れられただけなのか見切りをつけられたのかよくわからない萎れかけたサッカーボールは、私が蹴ってみると、それでも回転して弾んでくれる。すぐそばの柵には先日まで自転車用ヘルメットが掛けられて、それはその前までは公園内の別の木に掛けられていた。だが、それが今はもうない。持ち主が持ち帰ったのか捨てられたのか、こちらもよくわからない。
人の生活の延長にある公園。年が開けてもまだサッカーボールが転がっているか楽しみだ。
その逝く処を識らず~とある庵主の手記