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2010年12月29日水曜日

草津二日目

二日目
宿泊した部屋にはエアコンはなく石油ファンヒーターとこたつのみ。そして寝るときはどちらも消す。昨夜は21時に眠りについたものの、寒くて夜中に三回ほど目が覚め、それでも頑張って寝続けたのだが、朝の6寺前に目覚めたときには寒くてこれ以上寝ていられずとうとう石油ファンヒーターをつけた。朝食が8時とのことで、まだ時間があるので朝風呂に入ろうと昨日混んでいて入れなかった煮川の湯を目指す。 

宿から煮川の湯までは10分ほど。ところが数分も外を歩いていると、雪の草津の早朝があまりに寒くて歩行困難となり、宿からもっと近くにある同じく昨日混んでいて入れなかった白旗の湯に行くことにした。

白旗の湯

白旗の湯は脱衣場が広く、湯船が二つあり、結構な人が入れる広さだった。二つの湯船は温度が高いものと低いものなのだが、6時半に行くとすでに一家4人のご一行が低温の方に入っていて、私は高めの方に入ることを強いられた。掛け湯したところでこの熱さに恐れおののいたが、すでに身体はキンキンに冷えていたのでとにかく暖まりたい。でもこの湯の温度からすると、このまま入るのは無理。なので何度も掛け湯して身体を湯の温度に慣らす。どうにか身体が慣れてきたところで足を湯船に入れると、酸性の湯独特のピリピリ感がきて痛い。それをぐっと我慢して全身入浴するが、数十秒でいったん外へ。熱かった。でも外にいるとすぐ寒くなってくるので低温の方へとお邪魔させてもらうことに。こちらは湯船も浅いのでゆったり入っていられる。こちらでぬくまったところでまた高温の方へ。もう身体が慣れていたので熱くは感じない。4回ほど出たり入ったりを繰り返し、この日の朝風呂を終えた。白旗の湯は白濁したお湯なのだが、足が底についた頃には見えなくなる。濁っているお湯もなかなかいいものだととても気持ちのいい朝風呂を終えた頃にはこの白旗の湯にも続々と観光客がやってきた。

宿に戻ると、その途中で共同浴場の瑠璃の湯を発見した。白旗の湯で充分暖まったので入浴しなかったが、瑠璃の湯はまだ誰もおらず、手だけつけてみると温めの湯畑の湯だった。こじんまりした共同浴場だが、込み合う気配もなくきっと快適に入れるだろうと思うお湯だ。
瑠璃の湯

三人くらい入るといっぱいの広さ

二日目は、思いのほか街が狭くて二泊三日を持て余しそうだったので白根山の麓あたりに行ってみようかと朝食を食べてからバスターミナルに行ってみた。ところが残念ながら白根山行きバスは冬季運休中だった。そこでこの日もともと行く予定だった西の河原へと向かう。湯畑をはさんでバスターミナルと反対側の草津の町並みを歩くと、お土産屋さんが並ぶ商店街に出る。ガラス工房やお箸屋さん、温泉饅頭屋さんや食事処がずらっと軒を並べるその通りは、10時過ぎになると店が開き多くのお客さんで賑わい始める。一之澤という食事処には、昨日と違う猫が店の前でお客をもてなしていた。とてもおとなしいおりこうな猫だ。西の河原に行く途中には片岡鶴太郎美術館があるのだが、このあたりになると西の河原から続く温泉の川が流れている。もう少し行くと、湧きだしたお湯がたまって露天風呂になっている箇所がいくつも見えてくる。充分入れる広さと深さだが、入浴禁止なのか恥ずかしいからなのか誰も入ってはいなかった。
片岡鶴太郎美術館の前を流れる温泉の川


西の河原公園





こうして歩いている最中もずっと雪は降り続けるのだが、ビジターセンターに入って休んでいる時も、パラパラ降り続ける雪が強い風に押されて四方八方に舞うのが窓越しに見える。それでも西の河原に向かう観光客は後を絶つことなく露天風呂に向かって歩いている。そして不思議とここでも若い世代が多かった。

西の河原ではプールほどのとても広い露天風呂にザーザーと源泉が注がれている。この日は時折強風が吹いていたが、そのたびに滝のように流れる源泉から湯煙が渦を巻いて硫黄の臭いとともにやってくる。外が寒いためについつい長湯になりがちで、湯あたりして体調を崩す人が最近多いらしいが、私が脱衣場にいるときも一人若い人が気分がすぐれないとイスに横になっていた。そういえば白旗の湯でも子供が気分が悪いと横になっていた。身体に良い温泉だが、入り方にはやはり注意が必要のようだ。

西の河原から再び湯畑の方に戻る途中に、凪の湯という共同浴場を見つけた。昔花柳界の女性たちが好んだというこのお風呂は西の河原のお湯で、商店街の並びのちょっと奥まったところにあるためか、人通りが多いわりに観光客にはスルーされがちのようだ。私が行ったときも誰も入ってなかった。
凪の湯

とても小さなお風呂


一度宿に戻って休んでから、今度は煮川の湯を目指した。昨日はたくさん靴が並んでいたため断念したけれどもこの日は誰もおらず、独り占めできた。今まで入った中では一番熱いお湯で、何杯も掛け湯して身体を慣らしてから全身浴へ。数分もすると入っていられなくなるが、入浴後はすっきり爽快で気持ちよかった。その後は観光客は入浴の時間制限があって通り過ぎるだけに終わった睦之湯を素通りして万代鉱という泉質の恵之湯へ。とても新しい建物で湯船もピカピカの恵之湯には、すでに地元の子供二人とおばあちゃんが入っていて、そこに私も仲間入りさせてもらった。なめると酸っぱくて手でつかむととろとろの、とても気持ちのいいお湯だった。雪と風が強いこの日は天井の換気口からどんどん雪が入ってきて背中にあたるのだが、それがまたいいのだ。

煮川の湯
熱いお湯がじゃんじゃん流れている

その後草津温泉の共同浴場の東の果てにあたる、またまた観光客には入浴の時間制限が設けられているこぶし之湯まで歩いてみた。あまり遠くはないが、歩道のない雪道を歩くのはなかなか大変だった。そこから湯畑に戻る途中に湯川があり、大滝の湯方面から湯煙をあげて温泉が流れてくる。温泉の川だなんて、ここでは当たり前のようだがどうしても贅沢に思えてならない。タンクに入れて持ち帰りたくなってしまう光景だった。
関の湯


白根神社

シャクナゲの葉がいっぱい

社殿

石の鳥居

睦の湯

恵の湯

真新しい内風呂

天井もピカピカ

こぶしの湯

湯川
湯気がもんもん