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2010年12月28日火曜日

草津二泊三日外湯めぐり・Ⅰ

一日目
湯畑




東京から高速バスで約4時間。14時前に草津バスターミナルに着くと、早速名物の湯畑に行ってみた。湯畑の横には足湯があり、ベンチいっぱいに人が座って足湯に浸かっている。冬休みに入ったためか、思いのほか観光客、特に若い人が多い草津湯畑周辺だった。
よく滑る冬の光泉寺の階段

本堂

外湯巡り以外の観光を特に考えていなかった私は、湯畑からその階段が見える光泉寺にひとまず行ってみることにした。雪が凍ってツルツル滑る結構な段数の階段を上り、参拝して再び滑る階段を下りると、これで無事二泊三日の外湯巡りができるだろうとの安心感を胸にいざ最初の共同浴場へ出発。

湯畑のすぐそばには白旗の湯がある。ここは観光客の目にとまりやすいためか多くの観光客らしき人々が周囲を取り囲んでいた。これではさぞ混雑しているだろうと入るのを断念し、最初に向かったのが白旗の湯から数百メートルのところにある千代の湯だ。
千代の湯
手前には湧き水があって飲めます。

脱衣場に入ると観光客らしき中年の女性二人が出ていったところで、湯船は私一人で独占することとなった。ラッキー。温めでゆっくり入っていられるお湯で、これが湯畑源泉なのかと草津の酸性のお湯にゆったり浸かる。東京よりすっかり寒い冬の草津の外気に身体が冷えきってしまったものの、7~8分入っただけですっかり身体は軽くなり楽になった。バスの疲れも吹っ飛ぶありがたい湯だった。その後さらに数百メートル歩いたところにある煮川の湯に行くと、下駄箱に靴がいっぱい並んでいたのでこちらも入るのを断念し、地蔵の湯へ向かった。
地蔵の湯

地蔵堂

地蔵の湯は共同浴場の中では広めの湯船で、5人くらい入っても余裕がある。地元のおばあちゃん同士が来年もまたよろしくねと年越しの挨拶をしているのがほほえましく和やかに見えた。ここのお湯は千代の湯より熱く、数分入っては出ることを数回繰り返した。脱衣場が湯船の目の前に仕切りなく設けられていて最初驚いたが、不自由なく気分良く入れた。草津のほとんどのお湯が透明のお湯なのに比べ、地蔵の湯は湯船に手をおろすと手の先が見えなくなるような白濁の湯だ。地蔵の湯の前には地蔵堂があり、その前の地蔵の湯源泉の囲いからはもんもんと湯気が出ている。足湯もあってなかなか便利なところだ。

その後しばらく草津の街を散策し、スーパー大津近くの千歳の湯に行った。ここはいかにも地元の人のための共同浴場といった飾り気のないこじんまりしたお風呂で、子供たちが数を数えながらおばあちゃんと入浴していた。ここのお湯も熱めで一面に湯の華が舞っている。
千歳の湯

湯畑からバスターミナルあたりは坂が多いのと、道がせまくて歩道がないわりに車の行き来が頻繁なのとで路面が凍結しているこの時期は歩くのに注意を要するが、硫黄のにおいに包まれた温泉街の雰囲気満点の町並みは風情があってとてもよかった。

夜6寺過ぎにライトアップされた湯畑に行ってみると、日中あれだけいた観光客はすっかり消えて、足湯はがらがらだった。誰もいないのを良いことに存分に場所をとって足湯に入ってみたが、雪の燦々と降る中ライトに湯気がのぼる光景を前にしての足湯はとても幻想的で快適だ。足を動かすたびにピリピリくる酸性のお湯は、手の指の先まで暖かい血を運んでくれる。人通りが昼間に比べてないとはいえ、時々通りがかる若い集団はおそろいの宿の浴衣姿でとても賑やかだ。こんな若い人たちがこれほどたくさんで年末の草津に来ているとは以外だが、そんな賑やかさもつかの間、彼ら彼女たちは一瞬でまた消えていった。
湯畑の足湯

この日ははなみづきという民宿に泊まったが、女将がここの湯が一番よとすすめる、最近桧風呂にリニューアルしたお風呂に就寝前に入った。貸し切りでとてもリラックスして入れたのが共同浴場にはない解放間だった。お湯は湯畑から源泉をひいているのだが、温めで柔らかい。シャワーも温泉でとても良かった。
はなみづきの内湯