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2011年2月10日木曜日

目黒~白金散策

目黒駅を西口に降りて、フクジュソウ、マンサクが咲き始めたという二月の自然教育園に行ってみた。自然教育園は、いずれはスダジイなどの常緑樹の林になると言われているが、現在はクロマツなどの松が、樹齢300年あまりの木も含めてその優美な肌を空に向けている。
スダジイとアカガシのアーチ

ひょうたん池

ひょうたん池ではカエルがまだ冬眠中なのかとても静かだ。しかし、頭上で繰り広げられているツピツピツピツピとシジュウカラのオスがメスを求めるさえずりは、春を呼ぶ声に聞こえて晴れ晴れした気分をもたらしてくれる。

ヤブツバキの木には、メジロやヒヨドリが蜜を吸いにやってくる。このヤブツバキはなるほど賢くて、受粉に役立たない昆虫の目にはあまり入らない赤い色の花を咲かせる。鳥たちにはよく見える赤い光線を発するヤブツバキから顔中花粉だらけの鳥たちが飛び立っていくという無理のない利害の一致は、とても朗らかでついついヤブツバキの木の下で長居してしまう。
ヤブツバキ

朝は雪が降っていたのにすっかり晴れ渡った自然植物園では、一見ほのぼのした鳥たちの求愛があちこちで見られる。しかしその最中もマツ林と落葉樹、常緑樹の世代交代が行われているというのが嘘のような静けさだった。

フラットブレッドと温野菜

その後外苑西通りに出て松岡美術館方面に向かったが、その前に寄ったのが『禅』というカフェだ。白を基調とした店内は小奇麗で、広さの割に天井が高めなのと通りに面した壁が全面ガラス窓のために、10テーブルもないスペースだがとても広く感じる。このカフェにはフラットブレッドというパンやピザの原型という品があり、私はそれを注文した。

ピザよりもさらに薄いパリパリの生地の上に香ばしいチーズが振られたこのフラットブレッドは絶品だった。温野菜とドリンクがついてランチだと680円というお手頃価格も嬉しい(量を食べたいという人は物足りないかもしれないが)。1000円のランチだとフラットブレッドがカレーやパスタになる。ドーナツも売りらしいので、今度来店の際にはそちらも試したい。因みにギフトもある。店員さんの説明もとても丁寧で良かった。

その後行った松岡美術館では、先日の泉屋博古館と同様中国の青銅器があった。中国には生存しないライオンを妄想で描いてカエルのようになった文様などを見た後に常設展に移ったのだが、この美術館の創設者で収集家でもあった松岡氏はガンダーラ・インド彫刻を多く集めたようで、それらが展示されている。コレクションのうちのヒンズー教のシヴァやビシュヌに4本手があるものをいくつか発見して、なぜこれほど手があるのかと考えてみた。猫の手も借りたいというように、ヒトは二つの手では足りないと感じているのかもしれない。

因みにこの辺りは高級住宅街と言われるが、確かに外苑西通り沿いには小洒落たマンションが多く、その一歩奥には妙にセキュリティの厚い一軒家がチラチラ見える。そして当然散歩している犬は、飼い主同様オシャレな服を着ている。

以下自然教育園の植物たち

まんりょう

せんりょう 

むくのき