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2011年2月27日日曜日

『清永、歌麿、写楽』

山種美術館で浮世絵の数々を見てきた。それらは主に浮世絵の黄金時代と言われる清永、歌麿、写楽の作品だった。

江戸の風俗をよく表している浮世絵は、その内容が現代の風俗と重なったとき、より面白いというのが今の私の浮世絵の楽しみ方だ。市川團十郎が描かれていると、今の團十郎と比較してみたり、隅田川の花火大会を想像してみたりというのは、文化の連続性を感じられて感慨深いものがある。

一通り展示を見た後國學院大學で開かれた『浮世絵の黄金時代ーボストン美術館のコレクション』というセーラ・E・トンプソンという人の講演会を聞きにいった。

ボストン美術館の浮世絵版画室室長であるトンプソン氏は、客の質問がすべて日本語のまま理解できるほど日本語が堪能な人だ。外国人が研究した日本文化について聞くのはちょっと不思議な感じだったが、自分も学生時代に外国の文化についてなんかやってたなあ、特に教授は異国の文化についてフィールドワークをしながらバリバリ研究していたなあと思うと、見慣れてきているはずのものだったことに気づく。

そしてさすがにトンプソン氏は浮世絵についてそれなりに詳しい。所作もどことなく日本人ぽい。結局私にとって、浮世絵というより異文化を研究することに焦点がいってしまった講演会だった。