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2011年6月2日木曜日

フキと虫と猫

今日も雨で気温が上がらず、寒さをことさら嫌う我家の猫は窓を開けてもベランダに出ようとしない。それどころか、私が猫の腕を引いてベランダへと導こうとすると、しっぽを巻いてキッチンの方へ逃げる始末である。

母から送られてきたフキ第二便に取りかかるべく、鍋に水いっぱいと塩を入れてガスのスイッチを入れた。フキが緑色になったらザルにあけ、包丁の刃を使って外皮を剥くんだとの指示のもと、一応その通りにやってみた。

すると、ひらひらと、確かに楽に皮が剥ける。そして一度目のような煮崩れもすることなくシャッキリ感が残る程度のところで湯からあげたのでなかなか見栄えもいい。

上出来ではないかと満足感を得たところで、フキを適当な大きさに切ることにした。すると、ここで予想だにせぬ大きな壁にぶつかった。

フキの真ん中を走る空洞の中にダンゴムシを小さくしたような白い虫を発見してしまったのである。見なければ何も知らないで済んだものを、見てしまったのだから神経質にならざるを得ないではないか。そこから私の几帳面さは研ぎ澄まされ、数十本あるフキを、一本一本虫が入ってないか覗きこんで確認する作業が始まるのだった。

他に虫は見つからなかったが、第一便ではどうだったのか、食べても害はないだろうが、一抹の不安がよぎるのだった。

座布団でまん丸くなって寝ている我家の猫の、寒さと雨を気にしても虫を気にしないこれまでの生きざまが格好良く見えた瞬間である。