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2011年6月17日金曜日

藤沢周平の鶴岡

鶴岡にはこの地の出身者である藤沢周平が小説の舞台にしたところが多数ある。そして鶴岡駅の観光案内所にある観光マップには、小説に出てきたところにちゃんと印がついている。実は私は一冊も藤沢周平の小説を読んだことがなく、江戸時代を生きる主人公を描いていたことすら知らない始末だったのだが、夫や母が読んだことがあると聞いていたこともあってせっかく鶴岡に来たのだからと少なからず周平作品に興味をもち、午前中羽黒山を上った後の午後に時間ができたので、まわれる限り無料の観光自転車を借りて周平作品の地めぐりをすることにした。因みに私が行ったところはすべて鶴岡駅より南側の地域である。
般若寺 「凶刀」「用心棒日月抄」

家中新町の菅家庭園「三の丸広場下城どき」

大督寺「義民が駆ける」

龍覚寺「蝉しぐれ」

藩主酒井家の墓地

総穏寺「又蔵の火」

本町二丁目の光明寺「三屋清左衛門残日録」

三雪橋「蝉しぐれ」

大泉橋「秘太刀馬の骨」

三雪橋付近にいた猫

チャーミング


周平の小説ゆかりの地をまわっていて内川の三雪橋を渡っている時、羽黒山から鶴岡駅に戻ってくるバスの車中から道路を走り渡る姿を見かけた白と茶色の猫を、サツキの生垣のなかで見つけることができた。この辺を走っていたはずだと注意深く見回りながら自転車を走らせていたのだけれども、まさか見つけられるとは思わなかった。羽黒山に行くまでに果物屋さんの店先で白黒猫を、そのはるか向こうを突っ走る猫の残像を、そしてもう一匹どこかで猫を見かけたものの、ここまで近くで見られたのは鶴岡では初めてだ。

この猫はとてもかわいくて、内川の川音を聞きながらすっかりくつろいでいる様子だった。私はじゃあねと手を振ってお別れの挨拶をして立ち去った。

各ポイントにはそれぞれの場所がどのシーンで用いられているか、その部分が抜粋されて立て札に載っているのだけれども、藤沢周平がこれほど江戸時代を舞台にした小説を書いていたとは知らなかった。なぜ夫と母は読んだことがあるのかはわからないが、私もこれを機に一度読んでみようかな。