こうして都会の平日を思い知らされながら空港へと向かい、旭川行きの飛行機に搭乗。定刻通りに離陸した飛行機は日本列島の太平洋側の空路を旭川へと向かいます。
離陸して茨城方面へむかうところは幾本もの川が海に注ぎ込まれていくのが見えます。平らな住宅地、田畑をしばらく飛ぶと雲の中へ。
そして雲の中に入ったと思ったら雲の上までひとっ飛びです。
眼下には、雲が雪山のように幾つも連なってます。この飛行機は福島、宮城、岩手と飛んでいるはずなのですが、雲が薄くなった隙間から、時折整った都市の街並みや田畑がうっすら望めます。海側を通るためか、山岳地帯と思えるものは、はっきりとは見られませんでした。
雲がかかって陸の風景はほとんど見られませんでしたが、別の楽しみが。空は白い雲から離れるにつれグラデーションのように徐々に青色を濃くし、デジタル処理を施したような、一つの陰もないスカイブルーが続きます。
しばらくすると、離陸準備のために高度を下げ始めますとのアナウンスが。岩手県あたりと思うのですが、ようやく山岳地帯が見えました。そして、あっという間に半島のような地形が見え、沿岸部に都市が広がり、一瞬にして大海原へと飛行機は入り、本州を離れました。さあ、北の大地へ。
すると、間もなくして街が見えたかと思うと山岳地帯に入ります。北海道に入ると、それまでもこもこ山になっていた雲が、きれいに平らになっていて、わずかですが山の頂が望めます。そして、四角、台形、三角の畑がいろいろな形で現れます。
高度を下げると、飛行機は雲の層の中に入っていくのですが、川が蛇行しているのが見え始めます。雲の形が再びかわり、満開の桜のような中に飛行機が入っていくのがスリルです。そして、ちょっと暗くなったと思ったら、雲の隙間からは豊かな大地が開けていて、田畑は非常な緻密さで区画が整い、山や木には勢いがあります。文明に負けていない雄大な大自然です。人工物である畑ですら、緑とその茶色のコントラストが自然を引き立てているようです。
そのため、赤と青の屋根が多くみられる田畑の中なのに、洞窟に住んでるような感覚になりました。それくらい、大自然が圧倒してます。この近代都市において、思わず深呼吸してしまうすごさです。
蛇行する川と、まっすぐどこまでものびる道路が上川盆地の特徴の一つです。そしてまっすぐのびる道路の先には大雪山連峰があり、蛇行する川の上流にも大雪山連峰があるのでした。