NHKハイビジョンの名曲探偵アマデウスで、
『パガニーニの主題による狂詩曲』をテーマにしていたので見てみました。
この曲、好きなんです。
ラフマニノフといえば後期ロマン派を代表する作曲家。
ロシアの地方貴族で、ロシア革命と共に祖国を追われ、
音楽を続けるために四苦八苦の人生。
そんな亡命を余儀なくされたラフマニノフの
失われた祖国、ロシアへの思いが存分に表現されているのが
『パガニーニの主題による狂詩曲』になるそうな。
晩年のラフマニノフによる執念が生んだ名曲です。
狂詩曲といっても、
一つの主題をバリエーション豊富に演奏する変奏曲なのですが、
リストやブラームスも変奏に使った主題を敢えて使うあたり、
随分と意欲的です。
しかも、主題が変奏の後に出てくるというのもとんでもなく珍しいとか。
ロシア人らしく、ラフマニノフらしいのが、
「ディエス・イレ」というグレゴリオ聖歌の旋律が入っているところです。
他にもいろいろな工夫を盛り込んでるそうで、
第18変奏の甘美な世界にいたるまでに、
ロシアの厳しい冬を感じさせます。
第18変奏では主題の「ラドシラ」を反転させて、
ひと際優しく甘美な世界をつくってます。
そう、ここの第18変奏がものすごくいいんですよ~。
この第18変奏がよく響くにいたるまでに、
手練手管を駆使しているラフマニノフ。
今頃になって初めてそんなカラクリを知りました。
それを知らなくても十分心に響くので、いいんですけど・・・。