ゴッホの絵は知らない人がいないほどに有名で、
ゴッホとゴッホを応援し続けた弟テオとの親しい関係も
それなりに有名ですが、
テオの妻ヨハンナが、ゴッホの絵を世に出すのに
ものすごい役割を果たしていたことを、
私はNHKの迷宮美術館を見て初めて知りました。
ゴッホが精神的に不安定であることから夫のテオも憂鬱気味で、
家庭生活がなかなか上手くいかないことに苛立ってくるヨハンナ。
ヨハンナはある時些細なことから怒りが爆発してゴッホと口論になり、
ゴッホは自分が多少なりとも負担になっていると感じます。
ヨハンナはとても知的で思慮深い人なので、
その人が爆発するとは相当の事だったと思います。
その後まもなくゴッホはピストル自殺します(と言われてます)。
そして、その半年後に夫のテオまでもが34歳で亡くなります。
ヨハンナには、ゴッホと同じ名前をつけた息子と、
ゴッホの絵画、テオとのやりとりの手紙の数々が残されます。
ヨハンナは手紙を読み、兄弟愛を思い、
ゴッホの絵を世に出すことが自分の目的だと決意します。
ゴッホの人生について最初に知られてそのことばかり取り上げられ、
絵画が正当に評価されないことを恐れて、
ヨハンナは依頼が来ても手紙を公開しなかったのです。
きちんとしたかたちで絵画を世に出すために、
長年かけて、念入りに念入りに出していき、
ゴッホとテオの兄弟愛をくんで、お墓まで隣同士にしてあげました。
ヨハンナは意志の強い人だったようです。
ゴッホの絵はこうして世に出されたのでした。
迷宮美術館からでした。