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2010年11月1日月曜日

失われた時を求めて 続き

湿度の高い日々が続いて、喉を痛めた私にはありがたい限りです。

斜めに射しこむ日差しが肌に優しく感じられるような今日の日差しを浴びながら、『失われた時を求めて』の続きについて。集英社文庫の一冊目300ページ目前後。

語り手の年老いた叔母が、自らの死を受け入れていく様子が描かれてます。この小説には多くの死と、それを語り手がどう受け止めていくかがしばしば描かれますが、ここの描写も私はなかなか気に入ってます。

「・・・・・・それは老年のあの深い諦めだった。・・・・・・いつまでの生き延びた人々の生涯の終わりによく見られるものだ・・・・・・しかしこうして永久に引きこもってしまうことも、本来ならこれをもっと痛々しいものにしたはずだと思われるその同じ理由によって、叔母にはかなり楽だったものにちがいない。というのも・・・・・・」

公園には木の葉や実がたくさん落ちていて、土の上を歩くとクッション効果が最高です。ふと見つけたどんぐりを拾ってみようと顔を地面に近づけてびっくりです。土の匂いがする・・・。こんなに土ってにおうんだと驚きました。幾多の化学反応が起こっている土のにおいは、その景観同様薄い黒のようなこげ茶色のようなものでした。