朝から大雨が降り続く中、久しぶりにバージニア・ウルフの世界を覗いてみようと、河出書房新社から出ている『灯台へ』を読み始めた。80ページを過ぎたところである。
どこまでも人物の心理描写で綴られるこの小説は、ウルフらしい洞察力がとてもよく発揮されていると思え、読み応えがある。先を読み進めるのが楽しみだ。
こんなに人間のことを考えたウルフはさぞ疲れたことだろう。
ゴールデンウィークを関西方面で過ごした我が家の猫は、東京へ戻る際にカゴに入ってもらおうとすると、また長旅が始まるのかとすかさずそばの机の下に逃げ、私に足と胴体を引っ張られて引きづられながら出てきて、すると途端に観念したのかスルスルっと大人しく自分からケージにへ入って行くのだった。
そんな我家の猫は東海道新幹線での移動を終えて自宅に着くと、すっかりご機嫌になり、いつもならコタツか座布団の上に居たはずが、私のベッドの上でくつろぎ始めた。
これまで猫可愛がりしてきたこともあって、増長気味になりがちな猫だったが、長旅が私のありがたみを彼女に実感させることになったのか、とにかく私の部屋にばかりいるようになった。
それが、ここ最近気温が高くなって窓を開けていると、例年そうするように、網戸を突き破ってベランダへ出ようとするようになった。そしてこれも例年そうなのだが、その窓は私の部屋ではなく、必ず夫の部屋なのだった。
こうして猫と私の友情は深まるのである。