私は今回温泉の方だけ利用させてもらった。
この日も朝起きてホテルの部屋のカーテンを開けた途端に、東京の真夏のようなすさまじい強さの太陽光が顔を突き刺してきて、一瞬顔を背けるほどだったが、東京とは違い、ここ大分では今の季節でもこれが普通なのである。そして3泊してもう慣れてもいいくらいなのだが、私はまだまだのようだ。
この日は午前中のみ観光してそのまま空港に向かうために、大きな重い荷物を背負ってホテルを出ることになった。目的地は先ほど取り上げた竹瓦温泉である。
竹瓦温泉には9時半に到着した。因みにこのあたりの商店街は先日も載せたが猫出没地帯で、今回も4匹ほどおはようの挨拶をさせてもらい、私にとってすがすがしい朝となった。
竹瓦温泉の建物は唐破風造りというもので、古くからの温泉街である別府とはいえさすがにあたりは近代的な建物が建ち並び、この唐破風造りは異彩を放っていると言える。そしてその効果は、この風情のある建物を見ると、自然と中に入って温泉にでもつかっていくかと思えるものなのだ。
靴を脱いで番頭さんに100円払って店内を見渡すと、木で埋め尽くされた天井と床に挟まれ、柱も椅子も机もすべて木で、壁の白は白漆喰ならいいのだけれどなどと、温泉の雰囲気満点の室内に安らぎを得た。そして女湯へと向かった。
女湯には他に一人しか客がいなかった。地元のおばちゃんのようで、石鹸使用禁止とかいてあるのだけれども、旅行で来たの?どこから?石鹸使うなら貸してあげるわよ、東京は地震で大変だったんでしょ、と気さくに話しかけてくれるのだった。そして私がお湯を熱そうにしていると、本当は源泉掛け流しが私は好きなのだが、水をジャンジャン入れてくれる配慮までしてくれた。市民一丸となって観光に力を入れているのか、このおばちゃんがたまたま親切なのか、底知れぬ別府市営温泉である。
そんなおばちゃんもまもなくいなくなり、わりと大きな湯船に私は一人残ることとなった。天井が高く、浴場の内装もロビー同様木目なので、すぐそばに海があることを忘れる山の雰囲気だった。お湯が熱いために結局5分くらいしか入っていなかったのだが、ここまで重い荷物を背負って歩いた疲れは一気に取れて良かった。
観光客は砂湯を多く利用するようである。私が入浴を終えると、外国語を話す若い人ら数名が砂湯から出てきた。そしてその後もやってくる日本人観光客も、やはり砂湯へと行くのだった。そこで私もチャレンジと思ったが、もう湯疲れしているのでやはり断念した。
竹瓦温泉
ちょっと遠くから見る竹瓦温泉
竹瓦温泉近くにいた猫
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