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2010年5月21日金曜日

東京散策その三 新宿御苑界隈

今日は5月だというのに気温28度。晴天で夏のようです。
そんななか、新宿御苑界隈を散策しました。

このあたりはその昔江戸の頃、
信州高遠藩内藤家が幅をきかせていたところで、その名残が今もあります。

その一つ、新宿御苑。
この庭園は芝生がとにかく広いので、キッズたちがわらわらと遊んでいたり、
このくらいの暑さになってくると、日光浴する人がいたり、
とても居心地のいい庭園です。



そしてなんといっても、この季節はバラですね。
多くの人がフランス式整形庭園のバラ花壇を囲んでました。
カメラを構える真剣な眼差し、本気です。

そして猫好きの私は、猫と会えたのが嬉しかったです。

一時間半くらい御苑を歩きまわった後は、
新宿門から出て新宿二丁目方面へと向かい、
信州高遠藩内藤家菩提寺である大宗寺へ。
境内には閻魔大王像や、
「しょうづかのばあさん」と呼ばれ奪衣婆像、
江戸六地蔵の三番目として作られた銅造地蔵菩薩坐像があります。
どの像も、他では見られない独特のものです。
地蔵菩薩坐像は入ってすぐのところにあるので最初びっくりしました。

そしてその後は同じく二丁目にある浄土宗成覚寺へ。
内藤新宿の遊女の投げ込み寺だったところです。
そういう歴史のあるお寺のためか、雰囲気が暗く感じます。
でも、ここでも猫と会えました~。


その後、お腹が空いたので何か食べるところがないかと探すのですが、
二丁目あたりはあまりなく、
結局一丁目まで歩いてようやく入ったのが
炭火焙煎珈琲PIANO FORTEという喫茶店。
ピアノフォルテというだけあって、フォルテの大音量でクラシックが流れてました。
純粋に音楽を楽しむためのお店らしく、音楽好きの人たちが集まってました。
神戸萩原の炭火焙煎珈琲が売りのカフェです。
メニューはほぼすべてドリンクで、
食べ物はマドレーヌとコーヒーゼリーくらいしかありません。
空腹の私には辛かったです。
因みに私が座った窓側の方はすべて灰皿があったので、喫煙可だと思います。
奥にも席がありましたがそちらはわかりません。

PIANOFORTEを出て新宿駅へ向かおうとすると、
見知らぬおじさんと目が合いました。
すると、一冊も売れないんだよ、と言うので、何がですかと聞くと、
「ビッグイシュー」という雑誌とのこと。

これが看板です。

この雑誌はホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
ロンドンで始まったものです。
そのため販売するのはホームレスの人のみです。
そう、おじさんはホームレスなのでした。
ジョニー・デップの表紙に興味がわき、
じゃあ一冊頂きますと購入すると、
ちょっとしおれ気味のノラ・ジョーンズ表紙の号も、
もう売り物にならないからとつけてくれました。
一冊300円で、160円が販売者の収入になるのですが、
もともと140円で販売者が仕入れなければならないのです。
ということは私からの利益は20円です。
ちょっと悪い気がしました。
売り上げ数をまとめた帳面もみせてくだいましたが、
7冊売れる日もあれば3冊の日もあり、
一冊も売れない日もあるのです。
不況で厳しいんだよとのこと。
また買いに行くのでちゃんと元とってください。
とても接客態度の良い販売者さんでした。
この方はこの界隈で販売されてるそうです。

その後新宿駅へと戻り、まだ明るいなかを帰途につきました。

新宿にはいろいろ顔があり、おもしろいです。
アルタがあって百貨店が建ち並び、新宿御苑という観光名所もあるなか、
ひっそりとお寺が残っていて、
ホームレスの人が自立するために雑誌を売ってます。
ちょっと場末感のあるこの街は、何か居心地のよい空間にも感じられました。

個々の名所については後日個別でアップします。