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2010年4月17日土曜日

旅その六・香川県~小豆島~姫路 三泊四日

今回は香川県の栗林公園、屋島、善通寺、金刀比羅宮と巡り、高松から小豆島経由で姫路へと移動し、姫路城、好古園を訪ねるという、瀬戸内海を挟んだ三泊四日の旅です。

<一日目>
羽田空港を飛び立って一時間も過ぎると、眼下には瀬戸内海の島々が見えてきます。雲の隙間からどでかい島が浮き出てきて、きっとあれが淡路島だろうと思い、瀬戸内海に来たんだなあと、つくづく実感するのですが、空から見る淡路島の大きさには驚きます。周囲の他の島が小さいから余計に大きく見えます。瀬戸内海の島々は丸かったり、V字だったり、亀のようだったり、縦長だったりいろいろです。
次に見えてくる大きな島は小豆島だろうと思い、映画・二十四の瞳を思い浮かべます。空から見る小豆島は縁をきれいに削ったように周囲を道路が走っています。もこもこの山に茂る緑や黄緑の木々。瀬戸内海の特色、地中海性気候を思わせるオリーブ色の緑。そしてそれらの島々よりはるかに巨大な四国へと飛行機は向かいます。

季節が春とあってか、緑、黄緑の山の中にはピンク色の桜が点在して、これまた風流です。平らな田園地帯がしばらく続くと、すぐまた山が見えてきます。田畑のためのため池もそこかしこにあります。遠くに行くにつれ少しずつ高くなっていく山々に、空の上から、またまた四国らしさを実感します。
そんな中に、アンダーラインの引かれた「さぬき」の大文字が見えてきました。なんだあれと思っていると、飛行機はいったんその文字を通り過ぎ、迂回してまたその大文字へと向かっていきます。大文字の下のラインは滑走路で、「さぬき」はようこそさぬきへとのメッセージだと思うのですが・・・。香川のみなさん、大丈夫、とても目立ってましたよ。
飛行機が四国の大地に近づくにつれ、温暖なところだなあとつくづく思いました。日光の強さ、時々見られるトロピカルな植物、現地の人々の服装。空のさらっとした晴れた青色。

今回の最初の目的地は栗林公園。
空港から栗林公園へ向かう途中は、よく整備された道路沿いにチェーン系の牛丼屋さんやコンビニが点在する、よくある地方都市の風景です。違うのはやはり、うどん屋さんの看板の多さでしょうか。
そして道沿いでよく見かけるチューリップが春を感じさせてくれます。香川県で私が歩いた道はたいていどこでも花壇が整えられていて、個々の家々では鉢植えがきれいに置かれて、春の花があちこちで見られました。お遍路さんなど、常に観光客がいることをずっと香川の人々は無意識にか意識的にかわかっているのかもしれません。
栗林公園


栗林公園の詳細記事はこちらです↓。
http://esutaisis.blogspot.com/2010/04/blog-post_14.html


次の目的地は屋島です。
栗林公園から屋島へは琴電で。栗林公園を東門から出てそのまままっすぐ10分くらい歩くと、琴電栗林公園駅があります。そこから琴平線にて瓦町まで行き、志度線に乗り換えて屋島まで15分くらいどんぶらこっこと揺られます。


屋島特有の台形地形です。
瀬戸内海の島々が望めます。
屋島詳細記事はこちら↓です。
http://esutaisis.blogspot.com/2010/04/blog-post_15.html


次は明日の最初の目的地の善通寺へと移動。
屋島からJR高徳線で高松へ向かい、高松にて予讃線に乗り換えて多度津へ、さらに多度津で土讃線に乗り換え善通寺へと向かいます。
高松からの予讃線は、海が見えるわけでもなく、建坪30~50坪くらいの住宅地がずっと続きます。唯一、坂出が瀬戸大橋線との分岐点のためか、大都市感がありましたが、何せ車窓がつまらないんです。そして、ああ、もう少し線路が海よりなら瀬戸内海が見えるのにという、実際には見えないもどかしさが多度津まで永遠続きます。
そんな多度津までの車窓をグチ混じりに楽しんだ後、土讃線に乗り換えて二駅目の善通寺駅へ。
善通寺駅までは、予讃線の車窓とはうって変わってのどかな田園風景が続きます。こんもりとした山が三つ四つ並んでいて四国らしい風景だなあと思ったら、その一つが総本山善通寺の後ろにある山だということを後で知りました。山に歴史ありです。

<二日目>
二日目は善通寺と金刀比羅宮が目的地。
門前町らしい落ち着いた雰囲気の、駅からまっすぐのびる大通りを一キロほど歩くと、総本山善通寺に到着します。そしてそこまでの道のりは、うどん屋さんがたくさんあります。しかも一杯100円から300円前後の安さ。それまでの住宅地は何だったのか、坂出の繁栄は何だったのかと思うような町に電車数分にしてすっぽりと入ってしまう土讃線でした。
善通寺の詳細記事はhttp://esutaisis.blogspot.com/2010/04/blog-post_994.html

次は土讃線でひと駅の琴平駅に移動して金比羅参りです。
金刀比羅宮の詳細記事はhttp://esutaisis.blogspot.com/2010/04/blog-post_637.html



金比羅参りを終えて、二日目の宿泊先の高松へ戻るのは、琴電琴平線を利用。JR予讃線が海沿いの住宅地を走るのに対して、琴電高松築港行きは田畑と山の間を走り、よっぽどの家屋好きでもない限り、車窓はこちらの方が楽しめるのではないかと思います。讃岐富士のそばを通るも、同じような山が他にもたくさんあって、どれにも名前を付けたくなります。昨日飛行機から見えた田畑、ため池、田畑、山の風景のなかを、今度は実際に走ってるんだという、子供っぽい嬉しさがありがたみを増します。二両編成のガラガラ電車の短い旅ですが、金比羅の疲れを癒すにはちょうどいい一時間の景色ではないでしょうか。この瞬間、損をして得をとる意味をなんだか考えさせられました。

<三日目 雨>
今日は小豆島急行フェリーにて高松港から小豆島土佐港に向かい、小豆島を路線バスの南回りで福田に向かい、フェリーで姫路港へ。そして大雨のなか書写山圓教寺へ。
雨のなか、合同庁舎や裁判所のある高松のオフィス街のホテルから港まで歩いていると、琴平高松築港駅から数十人の、きりっとした表情の似たような色の服を着た男女が出て来るではありませんか。なにが始まるんだと思ったら、今日は月曜日、地元のみなさまはスーツで通勤なんですね。ご苦労様です。昨日の金比羅疲れでぼーっとしていた頭がちょっとシャッキリしました。
海の向こうを眺めると、昨日まではっきりくっきり見えていた屋島や他の島々が、もやがかかって見えるような見えないような。人生の縮図を一瞬のうちにみた思いでした。ああ、これくらい人生の先行きが、見えてるようで見えてないのね~。2、0の視力がほしい・・・(解決になってない)。

船が出航。海に降り注がれる大量の雨。こんなに雨が入っても溢れることのない広い海。でもときどき溢れかえって人々を苦しませる海。でもきっと、海は何も気にしてないと思う・・・。もし海がこの雨を冷たく感じていたら、今頃海は生きてないから。
土佐港までの一時間の船の旅では、瀬戸内海の島以外にも浮いてるものがいっぱいで、生活の海であることを実感します。私たちを涼しい顔で通り過ぎていく高速船と出会ったり、釣りしているような小型船と出会ったりで、どこに行っても遠目にですが、一期一会を堪能できます。

小豆島に上陸。フェリーからは土佐町の海岸沿いの町並みが望め、大きな島で生活の島であることがわかります。小豆島は手延べそうめんが名物だということを、土産店で初めて知り、オリーブだけではないんだと、無知すぎる失礼にお詫びでした。
で、土産物店を一周して雨降る外にでると、ふわっとした暖かい潮風を感じさせる小豆島が、すっかり好きになってしまいました。
土佐港から福田港までの南廻り線(路線バス)は所要一時間くらい。雨のために車窓が曇っているので、最前列に座って運転手さんの左側からの目線で小豆島を眺めることに。
池田港、草壁港と停車する途中、絶景が見られると名高い寒霞渓への誘導看板を10分おきくらいに三度は見たと思うのですが、そんなにルートがあるのでしょうか。道路のルート事情はよくわからないのですが、さすがは小豆島の中央若干東寄りに位置する名所寒霞渓、至る所から人々を呼び寄せるのですね(今回は行かないけれど)。
そんな看板も見かけなくなると、アップダウンを繰り返してくねくね廻りながら、所々でオリーブ園を眺めつつ、終着バス停の福田港へ。
今回は日程の都合上寒霞渓も銚子渓も行けなくて残念ですが、またゆとりをもって来島しようと思います。

さあ、そして姫路港へ。
福田港から姫路港へはフェリーで1時間40分くらい。
フェリーが出航して10分くらい経つと、ああ、もうここは瀬戸内海ではない、外海に出てしまったかと思うほどに海が広く感じられます。でもまた小さい島が点々と見えてきて、ああ、やっぱり瀬戸内海なんだと安心します(お手軽)。が、反対側の窓からは(たぶん東側)どでかい島が見えているではありませんか。

なんだ、あれは、淡路島にしては近すぎる、私の知らないこんなに大きい島があるなんて(当たり前)と思いながら、でも、瀬戸内海には大小3000もの島があるというくらいだから当然といえば当然。船内でお昼にうどんをいただき、作ってくださった店員さんにあの島なんですかと聞いてみると、「家島諸島」とのこと。すでに姫路とおっしゃってました。「さよなら香川県、こんにちは兵庫県」の瞬間です。因みに、ここまでの三日間、一日一杯ペースでうどんをいただきました。リーズナブルな価格と、こしのある麺に出汁のきいたおいしいスープ、ごちそうさまでした。
あと40分くらいの乗船です。
フェリーの旅では、みなさんくつろぎ放題です。ガラガラのローカル線以上のリラックス空間と思います。椅子が横に長いものが多いので、ゴロ寝する人(地元の方とおぼしき人ほど景色に興味がないらしく、寝てます)、団体でワイワイガヤガヤの観光客も、船内が広いために他の人を気にする必要なく、家でのお茶会のように談話を楽しんでおられます。先頭の方の座席は一人ずつ区切られている場合もあり、じっくりと景色を眺められます。デッキに出て潮風にあたるも良しです。この広々空間。時間がかかっても、だから船の旅はやめられない(満席の場合、どれも不可能なので楽しくないかも知れません)。

姫路港に着いて姫路行きのバスに乗ると、程なくして本州に来たなあと感じます。というか、少なくとも私が今まで見てきた香川県とは違うんです。もうもこもこの山はなく、目に付く建物はすべて大規模(香川県のものと比べて)。人々にはやる気が感じられ(香川の人にやる気がないとは言ってない)、港には三菱セメントの大きな建物がどーんとあって、バスが走る道路は早々に四車線。工業都市に着いたと実感します。姫路駅方面に行くと道路は六車線もあるんですよ~(そんなにめずらしいか)。さっきまでいた私の見た香川県のような、道路沿いに花壇があるなどと、悠長ではないんです。道は車道と歩道があるだけで、利便性はあるが殺風景、というか普通です。ああ、大都会です(本当は神戸に次ぐ50万人ほどの中核都市)。小豆島をはじめ香川県とのこの落差、瀬戸内海をはさんで姫路はすでに異国の地でした。
大雨のなか書写山圓教寺へ。詳細記事はhttp://esutaisis.blogspot.com/2010/04/blog-post_7969.html

<四日目>
昨日の大雨がおさまり、ホッとして姫路城と好古園へ行ってきます。
姫路城の詳細記事はhttp://esutaisis.blogspot.com/2010/04/blog-post_9303.html
好古園の詳細記事はhttp://esutaisis.blogspot.com/2010/04/blog-post_1751.html

三泊四日の瀬戸内海を挟んだ旅を堪能して、そろそろ家に帰りたいなあと思いながら新幹線に乗り込み、東京に戻るのでした。毎度のことだけど疲れたよ~。金比羅参りは生涯一度でいいよ~。