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2010年4月30日金曜日

ヴァイタ・ニードル社(Vita Needle )

2008年ドイツ制作のヴァイタ・ニードル社についての番組が、BS世界のドキュメンタリーでやってたので見てみました。

この会社の特徴は、従業員の高齢ぶりにあるのですが、社内が映ると、そこには、歩みのゆったりした老人が腰をかけて、真剣な眼差しで働いているのです。
70代はまだ若手、80代、90代が当たり前の会社なのです。
高齢者を雇うのは無謀との批判もあるなか、1980年代からこのビジネスモデルで、解雇ゼロ、不況のなかも収益増でやれてるそうです。

そこには仕事だけでなく、人生のドラマがいっぱいです。
配偶者に先立たれて一人になった人など当たり前。
家族も友人も誰もが先に死んでしまい、この会社に来ることだけが生きがいの人もいるのです。
そして、同僚はそれをわかってて、〇〇はここに来れなくなったら半年で死んでしまうと思う、生きる理由がなくなるからと、気にかけるのでした。
この会社にはエレベーターがなく、19段ある階段を、最低でも一日一往復しなければならないのですが、それができるうちはみな働き続けるようです。なものなので、〇〇が階段を上るためなら何でも協力するとのアットホームさなのです。
一段一段、ヨッコラショ、ヨッコラショと、手に手を取り合い上り下りするのでした。

みな一度どこかを退職した人たちなので、それまでの競争社会より大分居心地がいいらしく、ぼけ防止になると、健康法的にも勤めているのですが、それを社内で普通に話す会社なのです。

高齢者の多い会社だけあって、同僚との死別は他で働くより多いのですが、みなでその悲しみを乗り越え、またまた新たに高齢者を雇い入れて、商品を楽しくつくっていくのでした。

80代の元社長は、自分は生きた化石と言いながら、何もやることがないのに会社を見に毎日来るそうな。従業員にとっても社長にとっても、理想的な人生の終着点のようです。

ヴァイタ・ニードルhphttp://www.vitaneedle.com/