白鷺城と呼ばれる姫路城。
それは防火に優れた白漆喰で塗り固められていて、
その姿は築城当時のままだとか。
今の姫路の街は、豊臣秀吉が城の大整備を行った際に
作り上げた城下町がルーツだそうです。
天守閣前の展望台からの街並み
今回は、姫路城の大天守保存修理期間中だったため、
特別観光ルートでの見学です。
というか、天守閣には入れないんです。
ということで、入場料も若干安くされてました。
姫路城へは姫路駅北口より出ているループバスに乗って行きました。
バスは姫路城周辺を一周してくれ、好古園前や美術館前など、
各停留所でも降りられる便利なレトロづくりのバスです。
運転手さんが、ついこの間までは平日でもものすごく混んでたのに、
今は人がこなくなっちゃって・・・とぼやかれてました。
天守閣の中に入って見学する魅力というのは、
何万人という人を引きつけるそうです。
一日八万人で、入場制限もあったとか。
ああ、修繕工事なんてなにも知らないで来てしまったけど、
なにも知らないでそんなに混んでるとこに行く方が辛かったかもと思い、
外観だけでもちょっと割り引かれた料金で堪能するのでした。
姫路城はとっても美人なお城です。
「いの門」から始まり「ろの門」、「はの門」、「にの門」と
いくつもの門をくぐって上がって行くのですが、
そこでは両側をずっと石垣に挟まれてます。
決して広々とは言えない道を
ゴツゴツした石垣に挟まれて天守閣へと向かう。
大名とは言わないまでも、
家来になったくらいのものは感じさせてくれます。
石垣は苔蒸していたり、石と石の間からは草が生えていたりと、
本当に昔のままなんだと思えます。
天守閣の土台となっているそれぞれの石の微妙な色合いや形の違いは
独特の美しさを表現します。
白い城と言っても実際には真っ白ではなく、
ちょっとくすんでいて、灰色というかクリームがかったというか、
でも汚れているのではなくて・・・。
攻めたり守ったりの城というより、やはり美意識をくすぐられるお城です。
天守閣の石垣は、工事中で遠くからしか見えなかったのですが、
苔がなく、薄い茶色の石垣にところどころ濃い灰色というか
黒っぽい石がは入っていて、
それがまた視覚的効果を倍増します。
天守閣を引き立てる良い舞台ではないでしょうか。
因みに、姫路城の高いところの石垣は「扇の勾配」と呼ばれる
積み方をしているそうです。
石垣の傾斜面を内側に扇を開いたかたちに曲がらせていて、
それによって石垣を高く積むことができるそうです。
そして、攻め手がよじ登るのを防ぐ効果もあったそうです。
でも、ロッククライマーならよじ登れると思います。
このお城のもう一つの特徴は、
瓦の紋章が錯雑としていて誰の何かがわからないところです。
歴代の城主が、修繕のたびごとに取り替えたためとのことです。
お菊井
悲劇の井戸でございます。
主人を助けようとお菊さんはとある人の悪事計画を密告してしまいました。
そして、それがもとでこの井戸に投げ込まれたとか・・・。
その後、この井戸から毎夜お菊さんの声が聞こえたそうですよ。
やがてお菊さんは「於菊大明神」として
十二所神社の境内にまつられたそうです。
天守閣を終えて、次は西の丸へ。
西の丸の化粧櫓は、徳川二代将軍秀忠の長女で本多忠刻に嫁いだ
千姫とあわせてよく語られるそうですが、
中の説明を読んでもよくわからず、
出口のところにいた人(ここで働いているらしいお方)に聞いてみました。
ですが、千姫の住まいでないことだけは確かだけど、
それ以外はよくわからないとのこと。
男山八幡宮を遙拝する際の休憩所だったとか。
千姫は煙草をたしなんでいたそうです。
西の丸は小部屋のようにたくさんの部屋が仕切られているのですが、
どの部屋に入っても、歩くたびにキーキーときしみ音がでます。
こんなうるさいところでは眠れないと思いました。
千姫もこんなうるさいところでは休むのがせいぜいではないかと・・・。
でも、ここは奥女中たちの住まいで、当時は結構楽しくやっていたそうです。
奥女中が暮らしていたとされる部屋からの眺めです。
お庭も、天守閣もこのように眺められます。
化粧櫓で寛ぐ千姫
あ~れ~。こんなところに三毛猫が~(置物だけど)。
千姫人形が三毛猫と一緒にいるのがよかった。
他の観光客の方が、「猫おるで。猫入れたんかなあ。」
「さあな、入れたんちゃうの、あそこにおるんやから。」
などと三毛猫に注目してました。
お姫様、「白い猫も黒といえば黒」。
きっと、猫も入れると言えば入れたのではないかと思います。
今じゃ人も入場制限だけどね~。だって姫じゃないから。