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2010年4月24日土曜日

編集者の仕事・就活中のみなさんへ

私が卒論を終えて学業からおさらばした十数年前に、すでに斜陽と言わていた出版業界。新聞などのメディアも含めて電子化だなんだかんだと、内輪ではかなり盛り上がっているようです(自分たちの既得権益を奪われかねない点は盛り下がっている)。

人気はなんといっても講談社でしょうか。なぜかって、給料が半端じゃなくいい。メディア業界を目指す学生でなくても、大手・高給志向の学生はよく受けて、よく落とされます。小学館、集英社も高給ですね。でも、そんな給与体系が仇となって、今では首が回らないのが現状です。あのままでは倒産も間近か・・・。マガジンハウスが落ちていったのは言わずもがなです。

そんな高給取りの彼ら彼女らは、ブランド服に身を包みつつも、シャツには赤ペンのシミをつけながら仕事してます。高給取りだから、すぐに買い替えて解決しますが。

出版業界はそんな大手だけでなく、大多数の中小・零細企業で占められているのも現実です。大手は細かい仕事は下請け業者に丸投げできても、中小出版社では、編集実務や校正・校閲はもちろん、制作管理や造本に深く関与することが多いんです。また、企画の立案、著者・編者等との交渉、原価計算、原稿の整理・割付、校正あるいは校正者との交渉、装幀担当者との交渉など、やることがいっぱいです。

大体において、大手の編集者ほど横柄で、細かい仕事もやらなくてすむせいか、大雑把で鼻息が荒いです。著者も大手の編集者に対しての方が低姿勢なのです。けっこうパワーバランス丸出しの人間味溢れる業界です。高給取りであればあるほどふんぞり返る角度も大きくなる人たちです。でもドル箱著者には低姿勢な大手の編集者です(わかり易すぎ)。

崩壊しつつある記者クラブ、それでもまだ崩壊してない記者クラブ。出版社、ネット系及びフリーの記者は閉め出されておりました。彼ら彼女らの憤懣はやる方なしです。
総理大臣、外務大臣、金融担当大臣、総務大臣は記者クラブ所属記者以外にも記者会見を開放しました。すなわち、会見される側ではなく、新聞社、通信社、テレビ局の記者たちが、記者クラブを閉じたものにして情報を独り占めしたかったということです。
記者クラブの完全崩壊を願っている出版社、ネット系、その他フリーの記者たち、頑張ってね~。

テレビドラマに出てくる編集者は大嘘です。あんなものを本気にして出版業界を本気で目指して入社した暁には、幻滅して3日でやめるでしょう(大手であれば、高給が故に残り続けるでしょう)。概ねあんな美男も美女も存在しない業界です。だって、あれは芸能人だから。編集者のほとんどはあくまで会社員なので、どんなに高給取りでもその美には限界があります。

彼ら彼女らは必死こいて本をつくり、自らを高めるためにか、大量の本を買いあさります。消費者のほとんどは同業者ではないかと思うほどです。出版村という小さな村では、こうして自給自足が成り立っているのでした。

電車で本を読むのは当たり前。旅先には読めるであろう以上の本をなぜか持っていく人たち。トイレに行く時も、何かかにか本を持っていく病的さ。そうやって、ライバルより一字でも多く活字を読もうと励んでます(何の役にも立ってない、でも精神安定効果はあるらしい)。

有能な女性が活躍することの多い業界。
「有能な編集者は女性か、おばさん的男性(男おばさん)」によって占められると内田樹は言っています。

有能との自信のある女子学生と、おばさんな男子学生は、斜陽な出版業界でよければ受けてみて下さい。