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2010年6月6日日曜日

6月の小石川後楽園

晴れの小石川後楽園で、庭園ガイドを聞くことができました。
とても話の上手なおじちゃんが案内してくださいます。

入ってすぐの枝垂桜は都内五大桜の一つだそうです。
千鳥ヶ淵、上野、新宿御苑、井の頭公園に並び、
一本の木だけで5本の指に入ってます。
今年の4月に桜を見に来ましたが、確かに見事に咲いてました。

この枝垂桜の近くには蓮池があります。

蓮池です。7月に花が咲くそうです。

蓮池を通り過ぎ、大泉水の周囲を左側にまわると白糸の滝があります。

この白糸の滝は地下水を引いてきたものだそうです。
その前にある石は川の石で、山中を表現しており、


川下のほうには伊豆の石が置かれ、海を表してます。
サツキの右隣が伊豆の海の波で削られた石です。
このように山、川、海などを狭い空間で再現することを縮景というそうです。

もう少し行くと花菖蒲田です。まだ五分咲きでした。

ここにはカラスから身を守るべくカモの親子がいます。
小石川後楽園では毎年カモの子供が生まれるのだそうですが、
今年は二組の親子が誕生し、
一組は、警察官に誘導されながら、神田川方面へと
道路を歩いて引越していったそうです。

カモの親子です。
こちらもカモの親子です。

ここで、花菖蒲とカキツバタとアヤメの見分け方についての説明が。
花菖蒲は何色だろうが中に黄色い線が入っている、カキツバタは白い線、
アヤメは網模様が入っているとのことです。
因みに花菖蒲の花言葉は「忍耐」です。
原産地が日本の花で、江戸時代に武士階級によって
いろいろな品種が作り出されたそうです。
なので江戸より前の花菖蒲は存在しないのです。
紫、白、黄色と咲く淡い感じの花菖蒲田は
日本庭園によく合ってました。

ここの花菖蒲田には藤棚があり、
その向こうには松、そしてさらに茂みが広がり、
豊かな背景がより花菖蒲を引き立てます。
逆側から撮ると日本の田舎屋が入る美しい田舎景色を見られます。
 
3つ上の写真の奥の建物ですが、
客人にお酒を振舞う場所だったそうです。
京都の庭園が300坪ほどの規模で、観賞用であるのに比べ、
大名庭園は100倍くらいの広さがあり、主に接待する場だったそうです。
 
花菖蒲田のそばには稲田があるのですが、
京都の公家出身の夫人に農民の米作りの苦労をわからせるために
つくったのだそうです。
今は近くの小学校の5年生が田植えしてるそうです。
 
円月橋は水面に映る影と合わせて円が形づくられます。
こういう石の丸い橋は非常に丈夫らしく、
寛永の大地震、関東大震災も乗り越え、今に至って残ってます。
この手の石の橋で一番古いのは長崎の眼鏡橋とのことです。
 
円月橋の池は地下水を汲み上げた最初のところなので、
とても水がきれいです。
この辺はイロハモミジが繁茂していて紅葉がきれいだそうです。
しかもその中に一本だけイチョウがあり、
その黄色がさらに美しさを際だたせるそうです。
 
小石川後楽園といえば梅ですが、
こうして梅の実が成ってます。
この実は今は2㌔300円で売られてるそうです。
 
ここからの眺めは西方浄土を見立てているとのことです。
この風景の向こうには最初のところで見た蓮池があります。
園内で最も眺めのいいところとされてます。
 
ここの池には亀がたくさんいるのですが、
本当は全部スッポンなのだそうです。意外でした。
 
内庭には睡蓮が咲いてます。

睡蓮は午前中咲いて午後閉じるのを3回だけ繰り返し、終わっていくとか。
3日の命です。蓮の命は4日。
それを聞くと、花の命は確かに短いと実感します。
 
内庭を出ると木曽路に見立てた道に入ります。

左側が木曽川で、山間をグネグネ続く木曽路を表現してます。
だから、向こう側への展望が開けません。
 
下の写真は峠というところからの景色です。

先の見えない道から、突然こうして視界が開けます。
 
小石川後楽園にはたくさんの種類の木がありますが、
一番多いのはイロハモミジなんだそうです。
 
イロハモミジの屋根です。

こうして1時間半ほどかけて園内を一周しながらガイドしていただき、
とても勉強になりました。
お話も面白くて楽しくまわることができました。