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2010年6月3日木曜日

モネ

BSハイビジョンにて『モネ うつろいゆく光』を見ました。

モネに詳しくない私にとって、モネといえば睡蓮なのですが、
特に晩年睡蓮をたくさん描いていたようです。
家族を失い、視力を失っていくなかでも描き続けていたのが睡蓮でした。

番組内容で一番気になったのが、
最初の妻カミーユが亡くなったときのエピソード。

二人目の子供の出産後にカミーユは亡くなるのですが、
亡くなって肌の色も白くなっていくカミーユを、
悲しみに暮れながらも冷静に描いている自分に、モネは気づきます。
『死の床のカミーユ』という作品です。
こんな時ですら絵筆をとる自分の
画家としての業の深さを思い知るのですが、
わかりつつ描き続けるモネ。

そして、モネはその後アリスという女性と結婚するのですが、
カミーユが生きてるときに、すでに同居状態だったとか
(この内容は番組内では出てきません)。

番組のなかでもカミーユは生前モネのモデルになってあげたり、
思考する際のよき話相手だったりした人のようですが、
カミーユは、もしかすると、
そんな画家として業の深いモネも含めて良かったのかもしれない・・・
などといろいろ考えてしまいます。
そういうこともすべてわかった上で付き合ってたのだとすると、
カミーユの頭は宇宙のような広さです。
無限です~(勝手な推測ですが)。

そして、モネにとっては、描くことが業の深さでもあり、
生きていく唯一の希望や勇気でもあったのかと。
何かに意味を見出すと、描かずにはいられないというところでしょうか。

業を生きるエネルギーにするとは、
モネは何より生きることに貪欲だったということだと思います。
業が深いとわかった上でやり切れるモネは、
ある意味無敵です。
そしてあれだけの絵を残していってくれました。

『カミーユの死の床』、機会があったら本物を見たいです。